キックボクシング界の神童・那須川天心(18)が、16日のRIZIN横浜アリーナ大会で、総合格闘技(MMA)3戦目を迎える。16歳の史上最年少でキックの日本王者となり、昨年暮れのMMAデビュー戦は、衝撃のKO2連勝。キックとMMAの二足のわらじを履く格闘技の申し子は、将来ボクシング界への進出も視野に経験を重ねていく。

 「ボクの夢は、20歳までにキック界をまとめること。それができたら、ボクシングの方も声がかかっているし、いろいろ選べる状況で楽しみです」。まだ18歳の高校生は、将来の自分の可能性に夢をふくらませる。キックで日本王者になるなど18戦全勝、MMAは2戦2勝。14年に練習で通ったプロボクシングの名門帝拳ジムでは、その素質を見込まれプロ転向を進められた。父の弘幸さん(47)も「うちに預ければ世界チャンピオンにしてみせますと言われました」と明かす。

 最近では、アマチュアボクシングで20年東京五輪挑戦が話題に上るほど。「そこまでは考えてなかったですけど、五輪はあこがれますね」と那須川。あらゆる可能性を秘めながら、まずはRIZINで目の前の敵、ギリオッティーを倒して無敗記録を積み上げていく。【桝田朗】

 ◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日生まれ、千葉県出身。5歳から極真空手を始め、小学6年でキックボクシングを始める。14年にプロデビュー、6戦目でRISEバンタム級王者。16年3月にISKAオリエンタルルール世界バンタム級王座獲得。プロ戦績は18戦18勝(14KO)、総合格闘技2戦2勝。162センチ、55キロ。