横浜F・マリノスFW宮市亮(31)がクラブ初のファイナル進出のカギを握る。

アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)準決勝、蔚山現代(韓国)との第2戦は24日に日産スタジアムで行われる。アウェー戦を0-1で落とし、チームは反転攻勢に出る。キューウェル監督の信頼も厚い宮市の起用が勝負のポイントとなりそうだ。

今季は公式戦全15試合に出場(先発3、途中12)も無得点。しかし出場すれば雰囲気を一変させる突破力は健在。Kリーグ2連覇中の堅固な蔚山の門を破るには重要なエンジンとなる。

23日の全体練習後、左サイドからゴール前に持ちこむプレーを繰り返し確認した。1点のビハインドとなった状況だが「逆にすごくチャンスかなと思います」とポジティブに捉えた。その理由は「欧州チャンピオンズリーグを見てもファーストレグでは決まらないし、アジアにしても難しさがある」と言う。

蔚山はホームで横浜に先勝していることに加え、2025年に拡大して行われる新生クラブワールドカップへの出場が過去2シーズンのアジアランキングによって決まった。精神的な緩みが出てもおかしくない。

「(気持ちの)ほころびが出てくるかもしれないし、自分たちは失うものがない、勝たないといけないので。ホイッスルが鳴った瞬間からアグレッシブにいくと思います。早い段階で1点が取れれば、だいぶホームの勢いもあるし、ゲーム展開も変わってくる」と強気に話す。

アジア王者に2度輝いている蔚山の強さは熟知している。第1戦も決定機の数では上回られた。

それでも「僕らが押し込めた場面も多かったし、カウンターのところを止められたのもある。すごくマネジメントができた試合だった」。そう振り返った上で「我々にも意地があるし、プライドをかけて戦う。明日はアグレッシブに絶対に勝ちたいと思います」と宣言。

欧州で屈強なDFを崩してきたプライドは強い。かねて「ゴールを決めればヒーローになれる」と言う宮市。その時がやってきた。【佐藤隆志】