Jユース日本一の流れを高校サッカーにも引き込む!

 第91回全国高校サッカー選手権が30日、東京・国立競技場で開幕した。北海道代表の旭川実は今日31日、神奈川・ニッパツ三ツ沢球技場での1回戦で大津(熊本)と激突。24日まで行われたJユース杯では、札幌U-18が北海道勢初の王者に輝いた。これに続けとばかりに頂点を目指し、高校世代の北海道サッカーを全国にアピールする。

 旭川実が初戦に向け、小雨降る開会式で、じっくりエネルギーを充電した。2年連続の出場。鮮やかなユニホーム姿でパフォーマンスを披露するチームがある中、体を冷やさないよう、あえて黒のグラウンドコートをまとい、一糸乱れぬステップで行進した。

 目指すは、J2札幌の財前恵一新監督が室蘭大谷(現北海道大谷室蘭)時代に果たした86年度以来26年ぶりの4強進出、国立切符だ。「そこにいくため組織、選手、スタッフを持ち続けるチームづくりをしないといけない。まず4強。国立を掲げる」と富居徹雄監督(40)。そして今回は、その先を狙うだけの大きな理由がある。

 24日のJユース杯決勝直後、順大の2学年後輩にあたる札幌U-18の四方田(よもだ)修平監督(39)から優勝の連絡が届いた。「あいつもやった。僕にもいい刺激にしないと」と富居監督。ユースVの勢いに乗り、今度は北海道高校チーム初の日本一を狙う。

 先輩からの力も注入した。直前合宿の道外遠征に出発した20日、フットサル日本代表でカズ(三浦知良)と一緒にW杯タイ大会を戦ったOB高橋健介(浦安)から手袋とネックウオーマーが差し入れられた。MF奈良創平主将(3年)は「先輩たちも活躍している。僕らも負けずに注目されるよう頑張らないと」と前を向いた。

 茨城、静岡合宿での実戦は2勝1分け1敗と上々。21日は鹿島学園(茨城)に2-1、22日丸岡(福井)1-0、24日創造学園(長野)2-2、26日実践学園(東京B)0-1と代表校相手に4戦5発。すべて流れからの得点だった。北海道予選準決勝、決勝はセットプレーの2発で勝ち上がっただけに、奈良は「流れからの形ができた」と課題克服に手応えを示した。

 プレミアリーグ参入戦からの流れで入り、不完全燃焼のまま初戦敗退した昨年とは違う。今回は選手権で勝つために仕上げてきた。初戦でDF植田、FW豊川とJ内定者2人を擁する難敵大津を倒し、一気に流れをつかむ。【永野高輔】