磐田のMF小林祐希(24)が、初の日本代表での大暴れを誓った。日本サッカー協会は26日、6月のキリン杯に臨む日本代表25人を発表した。代表初招集となる小林祐は磐田市内での練習後、「強烈な爪痕を残してくる」と強気に言い切った。9月に始まるW杯アジア最終予選を前にした最後の実戦の機会で、代表選手に、堂々と挑戦状をたたきつけた。

 表情を変えずに、小林祐はサラリと言い切った。「いい経験をしようとか、さらさら思っていない。一切遠慮はしない。行くからには、先発を狙う」。今季はリーグ12試合で4得点。トップ下で、攻撃の要として存在感を放ち、ハリルホジッチ監督の目に留まった。「プレーは5分でもいい。1プレーで世界を変えてやる。強烈な爪痕を残してきます」と宣言した。

 自他ともに認めるビッグマウスだ。今月から、ゴールパフォーマンスは母との約束で、背番号の数字の「4」を両手で作るポーズを続けている。日本代表では本田が「4」をつけており「点を取ったらコレやってくださいって、4番ポーズを教えてきます」と笑顔。本田をほうふつとさせる強気の姿勢だが「自分を信じる気持ちは、本田さんよりも強いと思う」と“本家超え”も意識。さらに、MF香川がつけている背番号10について「香川さんと直接話しておきたい。のちのち、10番はつけたい」と、大いなる野望も明かした。

 ビッグマウスが目立つ一方で感謝の気持ちは忘れない。「東京Vが育ててくれて、磐田が変えてくれた。感謝しているし、プレーで恩返しをしたい」。下部組織から在籍した東京V、12年途中から移籍した磐田の名波監督やチームメートに感謝し、活躍を誓った。

 サッカーを始めた幼稚園のころに立てた目標は「19歳で日本代表入り」。24歳での初代表に「5年遅かった」と苦笑いした。G大阪FW宇佐美、鹿島MF柴崎、ザンクトパウリFW宮市らと同じプラチナ世代。世代別の代表では控えに甘んじたが、A代表では関係ない。「ようやく追いついて、追い越せるところまで来た。W杯に出る気でいる」。初代表らしからぬ戦闘モードで、30日から代表合宿に合流する。【保坂恭子】

<小林祐希(こばやし・ゆうき)アラカルト>

 ◆3歳から 1992年(平4)4月24日、東京都生まれ。血液型O。3歳からサッカーを始める。

 ◆東京V最年少主将 東京Vユース時代の10年、2種登録でトップチーム入り。11年に当時フランス2部のディジョンの練習に参加。12年にはクラブ史上最年少の19歳で主将に就任。同年7月、当時J1の磐田へ期限付き移籍し、13年から完全移籍した。

 ◆コンバート 磐田移籍当初はボランチで、14年秋の名波監督就任後にトップ下へコンバートされた。利き足は左。強烈なキック力があり、FKやCKのキッカーも務める。名波監督は「蹴った時の音がいい」。

 ◆好きな選手 元オランダ代表のベルカンプ、元アルゼンチン代表のマラドーナ、リケルメら。

 ◆背番号 13年から日本代表FW本田と同じ「4」。当時、本田の影響を聞かれ「ご想像にお任せします」。今年1月にはイタリアに行き、関係者のつてをたどって本田と会い、食事をしながら語り合った。一部では「本田2世」とも呼ばれる。