神戸の元監督で、タイ1部シーサケットを率いる和田昌裕監督(51)が、タイ戦を控える日本代表に提言した。チョンブリの指揮を執った14年にタイの年間最優秀監督に輝いた同監督は、急成長を遂げるタイ代表を警戒。タイのメッシこと22歳MFチャナチップ、スペインリーグに在籍したFWティーラシン、スイス系タイ人で元U-20(20歳以下)スイス代表のMFシャリルらを擁する前線は豪華。同監督は警鐘を鳴らす。

 「数年前のタイとは全く違うし別次元。タイのメッシはトップ下にいるので、長谷部らボランチがケアしないといけない。簡単にボールを奪いにいくと、かわされた瞬間にスルーパスを出される。ディレー(遅らせる)する動きも必要。メッシにばかり気を取られると、左サイドの選手がDFの裏のスペースを狙ってくる。これがパターン」

 最終ラインにも警戒が必要。「左サイドバックのティーラトンは怖い。(14年の)ACLでC大阪から得点しているしキックが正確。(対面の)本田がパスコースを切らないと、いいボールを出される」。

 会場は超満員が確実。夕方のスコールも不安要素になる。「豪雨なのにパスサッカーをしようとすれば、足をすくわれる」。格下とはいえ、日本にとっては油断大敵だ。【益子浩一】

 ◆和田昌裕(わだ・まさひろ)1965年(昭40)1月21日、神戸市生まれ。御影高、順天堂大を経て、87年松下電器(現G大阪)入り。95年に神戸に移籍し、97年に現役引退。神戸の強化部長などを歴任し09年途中から監督就任し、13年に副社長。14年にタイの強豪チョンブリの監督に就任し優勝争いを演じて年間最優秀監督を受賞。15年にJ2京都監督、タイ2部ポートFC監督を経て、今年9月からシーサケット監督。