日本サッカー協会は18日、3月23日のW杯アジア最終予選UAE戦(アウェー)の開催地がアルアインに決まったと発表した。UAEはここまでホーム戦を開催してきたドバイではなく、主力の背番号10、O・アブドゥルラフマンらが所属する強豪アルアインの本拠地を選択。日本の17年初戦は完全に相手の「庭」で、より一層アウェー感の強い舞台で行われる厄介な事態となった。

 ハリルジャパンの17年初戦、3月23日のアウェーUAE戦の舞台が同国内陸の都市アルアインに決まった。アジアサッカー連盟(AFC)の決定を受け、日本協会も発表。昨年のACLで準優勝した強豪クラブ・アルアインの本拠地で、最新鋭のハッザ・ビン・ザイード・スタジアムに乗り込んで戦う。

 昨年9月の最終予選初戦(埼玉)で、誤審ともとれる判定もあり敗れた因縁の相手。5試合を消化し日本は勝ち点10の2位、相手は同9の4位と差はなく、絶対にやり返さなければならない大事な試合となる。ハリルホジッチ監督は再戦に向け「ほおをたたかれた。早くやり返したい気持ちでいっぱいだ」と話すなど、早くも気合十分だが、アウェーとはいえ舞台が悪い。

 開催地の選択権はホーム側にある。UAEはこの予選、ここまでホーム3試合をすべてドバイで行ってきた。日本協会も昨年12月にはアルアインが有力候補であることを察知。しかし、UAEはギリギリまで明かさず、水面下で揺さぶりをかけてきた。この選択の理由をAFC関係者は「オマル(アブドゥルラフマン)ら主力が所属するアルアインの慣れ親しんだスタジアムでやりたいようだ」と話す。舞台は昨年のAFC年間最優秀選手、MFのO・アブドゥルラフマンの庭。この10番に自由にプレーされたら手に負えない。

 内陸のアルアインと日本の間に直行便はなく、ドバイなどと比較すれば、移動の負担も増える。ハリルジャパンは“オマルの庭”で勝ち点3をもぎ取ることができるだろうか。

 ◆UAEと日本 国際Aマッチでの対戦成績は日本の5勝8分け3敗。そのうち、敵地ではドバイ1試合、アブダビ2試合、アルアイン1試合で計4試合をこなし3分け1敗。アルアインでは93年のW杯アジア1次予選で1-1と引き分け、首位で1次予選を突破している。アルアインではUAE以外の国とは、連覇を狙った96年アジア杯の1次リーグでシリア、ウズベキスタン、中国に3連勝。なお、同地の強豪クラブ・アルアインとの関係を見ると、近年、鹿島がカイオ、広島がドウグラスとJ屈指の外国人が“強奪”されている。