ザックジャパンが東欧の雄チェコとの力試しを経て、南米選手権(7月1日開幕、アルゼンチン)に挑む。日本が6月1日のキリン杯初戦(東北電力ス)でチェコと対戦することが明らかになった。日本協会関係者が8日、明言した。同7日の第2戦(日産ス)の対戦相手はホンジュラスを第1候補として調整中。チェコはMFロシツキー(30=アーセナル)、GKチェフ(28=チェルシー)ら欧州屈指のタレントを誇る強豪で、南米選手権前に最高の調整相手だ。また、8月10日に韓国と札幌ドームで親善試合を行うことが分かった。

 アジア杯を制したザックジャパンが11年の次の目標である南米選手権に臨む前に、最高の「スパーリングパートナー」と力試しする。その相手はチェコ。FIFAランク17位の日本に対し、現在は30位だが、欧州でも指折りのタレントをそろえる東欧の雄だ。

 ザッケローニ監督の「強い相手と試合をしたい」という希望通りの相手を探すために日本協会が奔走。6月1日と3~7日にかけての国際Aマッチデーは、12年欧州選手権の予選や親善試合が数多く行われるが、偶然にもチェコは試合を入れておらず、日本協会関係者によると既にキリン杯参戦が内定しているという。

 チェコは10年南アフリカW杯に出場できなかったものの、欧州選手権予選でスペインと同組に属し現在2位につけるなど、実力は欧州トップクラス。東欧勢では抜けた実力を誇るファンタジスタのロシツキー、欧州トップクラスのGKチェフに加え、日本代表MF本田圭のCSKAモスクワの同僚で欧州強豪クラブから注目されるFWネチドら豊富なタレントを抱えている。日本にとっては極めてタフな相手と言える。

 1月25日のアジア杯準決勝韓国戦で右第5中足骨を骨折し、手術を受けたMF香川真司(21=ドルトムント)にとって代表復帰戦の舞台になる可能性もある。香川自身の意向通り今季中の復帰ができれば、元ドルトムントのロシツキーと「ロシツキーに似ている」と騒がれた香川の新旧ドルトムント司令塔対決が実現する。

 インテルへの電撃移籍が実現した「エースキラー」DF長友佑都(24)と、ネチドやロシツキーの直接対決も見ものになる。10年南アフリカW杯でカメルーンFWエトーを抑えたことを手始めに一気に超名門クラブまで上り詰めた長友が、さらなる「勲章」をつかむチャンスが訪れる。

 6月1日のチェコ戦に加え、7日は北中米のホンジュラスを第1候補に対戦相手を調整中。南米選手権後の8月10日には北の大地札幌でアジア杯準決勝でPK戦の末に勝利した韓国との再戦も実現する。アジアの頂点に立った日本が、強豪を相手にさらなる進化への階段を上っていく。