岡田ジャパンが、被災地に大集結する。98年フランス、10年南アフリカと、W杯2大会で指揮を執った日本代表の岡田武史前監督(54)が、当時の代表メンバーを再招集し、26日から3日間、被災地でサッカースクールなどを開くことが17日、分かった。Jリーグはシーズン中のため、南ア組はシャルケDF内田篤人ら欧州組が参加する。現在、日本協会が訪問地選定作業などに入っており、20日に詳細が正式決定する。

 世界最高の舞台で日の丸を背負った面々が、被災地に大集合する。岡田前日本代表監督が、自ら指揮を執った98年フランスと10年南アの日本代表選手に声を掛け、26日から3日間、東日本大震災による被災地で、サッカースクールなどを開く。同氏は個人でも複数回被災地を訪問しており、欧州のほとんどのリーグが終了した今のタイミングで、大々的なイベントを計画した。

 発端は、日本協会からの提案だった。1カ月前に小倉純二会長から「サッカーファミリーとして、被災地の子どもたちを勇気づけてほしい」と、日本代表OB会などに依頼がきた。それを聞いた岡田氏が「じゃあ僕が声を掛けます」と、自ら弟子たちを誘い、フランス組のFW城彰二氏、MF名波浩氏らに加えて、カターニアFW森本貴幸、ウォルフスブルクMF長谷部誠、リールスGK川島永嗣、シャルケDF内田篤人ら現役の豪華メンバーが賛同した。他にも歴代日本代表OBや、なでしこジャパンOGらも参加する。

 現在は、日本協会が窓口になり、被災地と調整を続けている。関係者によると「必要な物品や、我々が現地でやってほしいこと、訪問する場所など、現地と打ち合わせをしている。今週中には正式に決まります」という。20日までにまとめ、同日に東京・文京区のJFAハウスで最終打ち合わせをして活動内容などの詳細を決める。26日から1日3会場を回るなどのハードスケジュールで、なるべく多くの子どもたちと触れ合う予定だ。

 岡田氏は、自国開催以外では初の決勝トーナメントに進出した南アW杯終了後「日本中のみなさんの後押しがあったから、ベスト16に進むことができた。これからは少しずつでも返していきたい」と話していた。代表OBのある選手は「岡田さんに声を掛けられて断れる選手はいないし、被災地を思う気持ちはみんな一緒だから。今までは選手がそれぞれやってたけれど、みんなでやればもっと大きな力になると思う」と話した。

 W杯では、日本中を沸かせた新旧岡田ジャパンが、今度は被災地から日本全国に復興をアピールしていく。