なでしこの活躍は、金メダルを超えた。FIFA女子W杯で破竹の快進撃を続けたなでしこジャパンは、経済効果1兆円超えを日本社会にもたらす試算まではじき出させた。

 CM総合研究所の関根建男代表は、なでしこジャパンの経済効果は「1兆円を超える」と予想した。最大の理由は準々決勝でドイツに勝ったことという。「開催国で優勝候補のドイツに勝ち、彼女たちの価値が世界に発信されたことで、商品価値がグンと上がった。世界を相手にしたマーケットだから1兆円を超える効果は期待できる」。その上で「彼女たちの活躍が、女性だけではなく、国内の内向きだった10~20代の草食系男子にも刺激を与え、やる気にさせた可能性もある。日本全体の生産力アップにつながるのではないか」と指摘した。

 時期も影響している。「日本にとっては、震災後、初めての明るいニュース。日本経済は大きな打撃を受けて、現在復興に向けて立ち上がろうとしているが、具体的な方策が見つかっていない。この時期に頑張る象徴として、なでしこジャパンは各企業から注目されているはず」。

 今後、なでしこジャパンのCM起用に動く企業の候補としては「トヨタ、日産など自動車業界や、パナソニック、東芝など家電メーカーはなんとしてもCM起用したいでしょうね。ソフトバンクの犬との共演も考えられる」と予想。起用法については「練習風景をドキュメント風に撮影して、最後に企業名だけを入れる。コメントも明るくてしっかりしているので、ユニホーム姿だけではなく、私服もいいですね」と話した。