「長友ロード」を突き進む。ロンドン五輪アジア最終予選アウェー・バーレーン戦で2-0で勝利したU-22日本代表は24日、ホーム・シリア戦(27日、国立)に向け都内で合宿を開始。守備の要となるDF比嘉祐介(22=流通経大)は、来年は「大学生Jリーガー」となることが濃厚であることが分かった。文武両道で成長した同じ左サイドバックのインテルDF長友を見習い、ロンドンに向けて活躍を誓った。

 都内での全体練習を視察した流通経大の中野雄二監督(48)は、教え子の姿を見ながら苦笑いで明かした。「卒業は厳しいですね」。比嘉は横浜に入団が内定しているが大学法学部の卒業に必要な単位が足りない。来年9月の卒業を目指し、講義やリポート提出に取り組みながらのルーキーイヤーになる。

 それでも、中野監督は前向きにとらえる。「サッカーと勉強を両立することはいい経験になる」。大成への前例もある。同じ左サイドバックで、比嘉自身も「一番意識している」と話すインテル長友も文武両道を貫いた。明大3年時に卒業を待たずに当時J1の東京入団が決定。4年時は、単位取得に必要な講義に出席しながら、クラブの練習に励む生活を送った。勉強不足で大学生Jリーガーとなる比嘉とは異なるケースだが、今後のためにも貴重な経験になるはずだ。

 比嘉は来年より、今は3日後のシリア戦で頭がいっぱいだ。チームは今予選2試合、いまだ無失点。「またゼロだったなと、みんなと話している。自信になってます」。くしくも長友は08年のシリアとの親善試合(A代表)で代表初ゴールを決めている。比嘉も「チャンスがあれば狙いたい」。目標の先輩に続くつもりだ。【由本裕貴】