柏はビンズオン(ベトナム)に勝利し、日本勢として1次リーグ初勝利を挙げた。今季初めてセンターFWで出場したエースFW工藤壮人(24)の2得点などで、前半に2点、後半に3点を挙げた。通算1勝1分けとし、E組首位に浮上した。

 FW工藤の1発が、スタジアムの空気を変えた。チャンスを作りながら決めきれず、停滞ムードが漂っていた前半43分、FWクリスティアーノの右クロスに、ダイレクトで右足を合わせて先制した。この1点で攻撃が活性化し、直後の同45分にはオウンゴールを誘って追加点。後半22分には右CKから頭で合わせて、この日2点目を奪った。「焦りはなかったけど、早い段階でゴールを決めるに越したことはない。チャンスはくると思っていたので、冷静に入れられた」。

 試合日の朝、吉田監督からセンターFWでの先発とともに「点を取るぞ」と告げられた。昨季リーグ11得点のFWレアンドロをベンチに押しやり、ようやく巡ってきたチャンス。「僕もセンターFWで勝負したい。監督の悩みを増やすことができたかな」と手応えをつかんだ。

 今季のACLで日本勢として初勝利を挙げた。「(昨季)3冠のG大阪、補強をした浦和が注目されているけど、ウチは地味に勝ち上がっていきたい」と余裕の笑み。Jリーグ開幕戦の神戸戦(7日・アウェー)にも弾みをつけ、覚醒したエースがチームをけん引する。【保坂恭子】