15年ぶり開幕3連勝で勢いに乗れ! J2札幌の元日本代表MF稲本潤一(35)が9日、次節長崎戦(15日)、第3節福岡戦(21日、ともに札幌ドーム)のホーム連勝を約束した。8日の開幕栃木戦はボランチで先発し、3年連続開幕勝利に貢献。02年W杯日韓大会で日本を初の決勝トーナメントに導いたベテランは、1勝で気を緩めず、ホームで一気に勝ち点を加算することが、昇格のカギと強調した。

 稲本がホームの空気を吸い、パワーアップする。開幕栃木戦で勝利したチームは、この日、札幌に移動。開幕戦先発組は、ランニング後、ボールを使った約1時間の軽いメニューで終了。稲本は沖縄、熊本両合宿間の2連休を都内で過ごしたため、実質的には1月25日のファン感謝イベント以来、43日ぶりの本拠地“帰還”だった。

 「ようやくホームに帰ってきたという感じ。長いキャンプだったので、ようやく札幌で生活するという実感がしてきた」。札幌・宮の沢のグラウンドで練習するのは、この日が初めて。リラックスした表情でボールを蹴り、ホームグラウンドの芝の感触を、じっくりと確かめた。クラブハウスを出る際には写真撮影を求められるなど、地元ファンとの交流もスタート。「札幌の稲本」が、ようやく本格的に、お披露目された。

 アウェーでの1勝に満足はしていない。第2節以降に向け「次からホームで2戦続く。それはすごいアドバンテージ。どういう形にせよ、しっかり連勝できるようにしたい」と15年ぶりの開幕3連勝を掲げた。札幌は13、14年と2年連続敵地で開幕勝利も、ホームでの第2節をいずれも勝てず、勢いに乗れなかった。勝利は続けなければ意味がない。ホームでサポーターと一体になり白星をつかむことこそが、稲本が求める強いチームの条件だ。

 野々村社長は、稲本獲得の理由として「勝つメンタリティーを持っている」と掲げていた。02年W杯日韓大会では、1次リーグ第2戦ロシア戦で決勝点を挙げ日本の初勝利に貢献。勢いに乗り第3戦チュニジア戦で勝ち、日本を決勝トーナメント進出に導いたのが稲本だった。「勝つ」ではなく「勝ち続ける」ことが大事。世界4カ国で積み重ねた勝者の思考で、若い札幌に精神的強さを植え付けていく。【永野高輔】