J2札幌MF稲本潤一(35)が21日、24日の次節アウェー徳島戦での移籍後初ゴールを目標に掲げた。前節群馬戦では絶妙なロングパスで、MF荒野の2点目をアシストした。会場の鳴門大塚は昨季唯一得点を挙げたピッチでもあり、今度は「ゴールに向かうプレーもやっていければ」と、ゲームメークに加え得点も狙っていく。

 川崎F時代の昨季、徳島戦は2戦とも4-0と大勝。鳴門大塚では自身3年ぶりゴールを決めるなど相性は良く「昨季J1で個の能力が高い選手もいるが、札幌も堅い守備からのカウンターという良さを出せれば、結果はついてくる」と勝利を約束した。札幌は今季、チーム最多7点の都倉頼みの傾向があり、MFの得点は今季全17点中、宮沢と荒野の2点と少ない。ここはW杯2ゴールという稲本の高い得点感覚を前面に出し、相手に脅威を与える。

 巧みな戦術眼も生かす。前節はDF裏へのピンポイントパスで貴重な2点目をお膳立て。徳島戦は開幕15試合連続の先発が濃厚で「左右のサイドチェンジは研究されているので、前回のような縦へのパスも増やしていけば、相手も集中力を必要とするので」と言った。左右前後に相手を揺さぶりながら、今季2度目の2連勝に導く。【永野高輔】

 ◆昨季の稲本のゴール 1得点で、4月6日川崎F対徳島(鳴門大塚)で記録した。川崎Fが3-0でリードの後半32分、MF中村の右クロスを、DFジェシがヘッドでゴール前に流し、後半16分から途中出場していた稲本がDFと競りながら右膝ボレーで合わせた。試合は4-0で川崎Fが大勝した。