四方田体制1勝ならず-。J2札幌は京都に敗れた。後半12分、17分に失点すると、3人の選手交代も実らず、逃げ切られた。四方田修平監督(42)の就任初勝利はつかめず、チームは6月21日北九州戦から9戦勝ちなし。8勝12分け8敗、勝ち点は35のまま。順位は10位に後退、プレーオフ圏6位との勝ち点差は6から7に広がった。

 我慢比べの消耗戦を、勝利につなげることはできなかった。京都市の今年最高38・5度を記録した、灼熱(しゃくねつ)のアウェー西京極。暑さを考慮して、四方田監督は前半は、しっかり引いて守り、カウンターを狙ったが、後半12分、ゴール前の混戦から失点。同17分には京都FW有田に、GK金山の頭越しにロングシュートを決められ突き放された。

 「攻撃が強いチームなので守備の時間が長いと予想した。前半の守備は安定し、カウンターの芽もあったが、なかなかゴールにならず、先に失点して苦しくなってしまった」。5分間で一気に2点差をつけられると、同20分に内村、25分に石井、35分に前田と攻撃的な選手を立て続けに投入したが、2戦連続無得点に終わった。

 戦力的誤算もあった。指揮官が京都戦のメンバー候補に考えていたMF小野が、試合2日前に負傷離脱。前節まで26試合フル出場していたDF福森も、左足首痛を考慮し、メンバーから外した。助っ人陣も万全でなく、18人すべて日本人選手という厳しい台所事情での戦いだった。「奪ってからの崩す質は、もう少し改善していかないと」。戦力、気候面のハンディを抱えながら、シンプルに敵陣に入って崩すという戦いは表現できた。後はブレずに、四方田流を貫きフィニッシュ精度を磨いていくほかない。

 監督交代後2連敗。トンネルから抜けられないが稲本は「今は耐える時期という気はする。勝てない状況で監督も代わり、苦しい時期ではあるが、こういうときこそバラバラにならず、全員で上を向いてやっていくしかない」と言った。残り15試合。まだ下を向く時期ではない。まずは新体制1勝へ、結束を固め、地道に、1歩ずつ、課題を克服する。【永野高輔】