来季のJ3参入を計画しているG大阪のセカンドチーム監督候補に、元日本代表DFの宮本恒靖氏(38)が挙がっていることが12日、分かった。G大阪は16年から2チーム体制にする方針を固めており、早ければ今月中にも理事会でJ3参入が正式決定する見通し。その目玉として現在はジュニアユース(中学世代)コーチで、生え抜きの元看板選手に白羽の矢を立てた。関係者は「J3を戦うチームの監督の最有力は、宮本で間違いない」と明かした。

 Jリーグの監督を務めるには日本協会公認のS級ライセンスが必要で、宮本氏は年内にも取得する方向だ。まだ本格的な指導者経験のない宮本氏が、2軍に当たるセカンドチームの監督として実績を積むにはJ3は最適といえる。G大阪のトップチームは長谷川健太監督(50)の来季続投が確実。クラブ側は将来的に長谷川監督の後継者として、J3から、J1のトップチームへとステップアップさせる考えまで持っている。

 G大阪には20年東京五輪世代で高校2年のMF堂安(どうあん)律(17)や、16年リオ五輪世代のMF井手口陽介(19)ら才能ある若手がいる。出場機会に恵まれていない原石がツネ様の指導で急成長すれば、トップチームにとっては、これ以上ない“補強”になる。順調ならS級ライセンスを取得次第、G大阪セカンドチームの「宮本監督」が誕生する。

 ◆宮本恒靖(みやもと・つねやす)1977年(昭52)2月7日、大阪府富田林市生まれ。G大阪ユースの初代主将で95年トップ昇格。05年リーグ初制覇に貢献し、06年末にオーストリアの強豪ザルツブルクに完全移籍。09年神戸に移り、11年末に現役引退。日本代表として02年日韓、06年ドイツ大会と2度のW杯に主将として出場。国際Aマッチ通算71試合3得点。現在はG大阪ジュニアユースのコーチ。

 ◆J3 Jリーグ3部の名称で14年に発足し、今年はJリーグU-22選抜を含めて13チームで運営。3回戦総当たりで、J2ライセンスが付与されていれば1位がJ2自動昇格、2位がJ2の21位と入れ替え戦に臨む。昨年は金沢が1位で自動昇格、2位長野は入れ替え戦で敗れた。