J2清水のJ1復帰に暗雲が漂ってきた。ホームで17位(前節終了時)の徳島に0-1。後半20分、右CKから決勝点を献上した。課題のセットプレーからまたしても失点し、頼みの攻撃陣は6試合ぶりの無得点に終わった。今月は3戦勝ちなし(1分け2敗)で前節の7位から9位に転落。サポーターも厳しいブーイングを選手に浴びせた。

 もう、我慢できなかった。敗戦で肩を落とす選手たちに、容赦ないブーイングが浴びせられた。「気持ちを見せろ」「本気で勝つ気があるのか」。応援団が陣取る2階席からは怒号も飛んだ。ホーム2連勝を期待して1万人以上が詰め掛けたが、最悪の内容に試合終了前から席を立つサポーターも少なくなかった。ブーイングも含めて今季初めての光景だった。

 後半20分、右CKから失点した。セットプレー絡みで4試合連続失点。昨季まで指揮していた徳島に敗れた小林伸二監督(55)は「この1点で選手が重たくなってしまった」と振り返った。失点後はサイド頼みの単調な攻撃に終始した。それさえも相手に研究され、6試合ぶりの無得点。主将のFW大前元紀(26)は「チャンスでしっかり決めていれば」と悔しさをにじませた。

 守備がちぐはぐだった。セットプレー時はマンツーマンが原則。自身のマークに決勝点を許したDF三浦弦太(21)は「申し訳ない」と言ったが、人任せの戦術になっていることは否めない。情報漏えいを理由に試合2日前から非公開でセットプレー練習に時間を割いているが、成果は出ていない。後半16分にはDF枝村匠馬(29)が左サイドバックで今季初出場。練習でも試したことがない位置で起用した指揮官の采配にも疑問が残った。

 問題はそれだけではない。途中出場のMF白崎凌兵(22)は「チームとして本当に1つになっていないのかもしれない」と言った。1年でのJ1復帰へ、選手1人1人は強い意志を持ってプレーしている。だが、最も重要な「団結力」や「犠牲心」が欠けていると言わざるを得ない。

 首位札幌とは勝ち点7差で9位。上位浮上へこれ以上の敗戦が許されない状況に大前は「チームとしてどうあるべきかをもう1度、1人1人が考える必要がある」と危機感を募らせた。この敗戦を転機にできなければ、目標達成は厳しくなってくる。【神谷亮磨】