9年ぶり5連勝で首位がっちりキープ! J2札幌は、讃岐を1-0で下し、5試合連続の1-0勝利となった。前半42分にFW内村圭宏(31)が2試合連続のゴールを決め先制し、この1点を守り抜いた。13試合を消化して9勝2分け2敗。勝ち点を29に伸ばし、1試合未消化ながら、2位以下を勝ち点4差と引き離した。

 2人の感性が合致した鮮やかな1発だった。0-0の前半42分、DF福森の左クロスを、右からFW都倉が頭で折り返すと、相手DFが右に引きつけられた。「都倉が競り勝つと思っていたら、いい折り返しが来た」。マークが外れフリーになったFW内村は、讃岐DFエブソンの背後に飛び込み倒れながらヘッドで合わせた。

 相手DFの位置を見て、ふわりと逆サイドに折り返す都倉の冷静さ、空いたスペースに入り、そつなくDF裏を突く内村の嗅覚。四方田監督は「相手が引いて守る中、どうやって崩すかを考えた。そういう中で、サイドからのクロスの折り返しを内村が、いい形で決めてくれた」と喜んだ。

 首位をキープし続けるために大切なのは、点を取る形を持つこと。内村は6戦4発と好調で、都倉のアシストは4月17日山形戦に続き2度目。前節15日水戸戦の決勝点も、都倉とのパス交換からたたき込んでいる。今季同時先発4戦目ながら、2トップが互いに個の良さを発揮しあえる連動性が、急速に熟していた。

 今回の得点について、内村は「自分がニアサイドでつぶれようと入ったことが、結果的にいい方向にいった。大きい1点。前半に取れるかで状況は変わる」と言った。長身の都倉が競って、こぼれ球や折り返しを内村の瞬発力でねじ込む。ダブルエースで計16点中10発。勝ち点3を重ね、J1に昇格するための「方程式」が固まってきた。

 後半、押し込まれた中での1-0勝利。追加点を奪えていないという課題はあるが、まずは勝利が大前提だ。「勝っているから雰囲気はいい。その分、出ている選手は、いい仕事を続けないと。変わらず競争しながらやっていきたい」と内村。首位を固めた札幌が次節28日、約1カ月ぶりに本拠札幌ドームに帰ってくる。【永野高輔】

 ◆Jリーグの連続1-0勝利 札幌の5試合連続1-0勝利は、J2リーグ戦では02年第9~13節の大分に並ぶタイ記録。02年大分は最終的に優勝し、J1昇格を決めた。J1での連続試合1-0勝利は09年第4~7節に浦和が記録した4試合連続が最長。