日本代表のスターたちの後押しで、被災地熊本の子供たちの未来を切り開くプロジェクトがスタートする。

 J2熊本FW巻誠一郎(35)は2日、「ヤフオク!」とタイアップして特別チャリティーオークションを行うことを発表した。

 J2熊本が約3カ月ぶりに、本拠地うまかな・よかなスタジアムでホーム戦を開催するタイミングに合わせ、オークションは3日午後6時からスタートする。(http://reu.auctions.yahoo.co.jp/project?id=1034)

 レスターFW岡崎、インテルミラノDF長友、ドルトムントMF香川らが巻を頼って被災地訪問した際に「熊本のためにオークションにかけてほしい」と残していったグッズが並ぶ。

 岡崎は、レスターが15-16年シーズンにプレミアリーグで奇跡の優勝を果たした際に着ていたユニホームに、チームメート全員からサインを書いてもらったという、サッカー史を振り返る上でも貴重な1枚を提供した。

 巻は「オカはプレミアで優勝争いをしている最中だと言うのに、4月の地震直後にすぐ電話をくれました。『オレは何をすればいいですか』と。きっと阪神淡路大震災を経験しているからだと思うのですが、とにかくその気持ちがありがたかったです」と振り返る。

 収益は巻が立ち上げた復興支援サイト「YOUR ACTION KUMAMOTO」を通し、被災者支援のために使われる。

 これまでも、同サイトも通して復興支援活動を続けてきた巻は「これからは、熊本の子供たちの夢をかなえるためのプロジェクトを進めていきたい」と言う。

 「ありがたいことに、熊本には復興を支援したいと、各界から多くの方々が来てくださいました。普段なら会えない方と触れ合ったことで、子供たちは励まされただけではなく『こういう人になりたい』『こういう世界に進みたい』と夢を抱いたんじゃないかなと思うんです」

 そうした夢を応援するために、基金を立ち上げたいというのが、巻の考えだ。

 「他の土地の子供たちと同じように、熊本の子供たちにも夢を追う機会を持ってほしいですから。そして元に戻るだけじゃなく、もう1歩先に踏み出してこそ、真の復興だとも思うんです。そのためには未来の熊本を引っ張ることになる、子供たちの力が必要です」

 サッカーだけでなく、他のスポーツ、文化、芸術など、さまざまな分野で、子供たちの夢を応援する。