本田VS岡ちゃんは、岡ちゃんの勝ち-。ACミランの日本代表FW本田圭佑(30)が実質オーナーのオーストリア2部SVホルンと、元日本代表監督で日本協会の岡田武史副会長(59)がオーナーを務める四国リーグのFC今治が6日(日本時間7日未明)、オーストリア北東部クレムスでプレシーズンマッチを行った。試合は今治が3-2で勝ち、試合後には2人が軽妙なやりとりを繰り広げた。

 オーストリアで実現した対決は試合後も盛り上がった。10年W杯南アフリカ大会をともに戦った師弟が取材でカメラの前に並んで“延長戦”が始まった。

 本田 正直、勝てなかったことは悔しいです。(岡田オーナーが)さすがだなというところはある。

 岡田 いやいや。俺がやっているわけじゃないんだから。お前が(選手として)出てきたら、俺も出ようと思っていたよ(笑い)。

 本田 サプライズというか、実はスパイクも用意していた。でも、明日(7日)からミランに戻って練習からガッツリやらされるなと思ったので、今日は出なかったです。

 今も、信頼関係で結ばれているACミランの10番と日本協会副会長は、精力的に活動し存在感を示し続けている。

 岡田 あの時(10年W杯)の選手たちがみんな、本田を筆頭に頑張っていることはうれしい。こういう形で対戦するとは思いもしなかったけど。

 本田 本当、岡田さんに感謝しています。僕は選手として20代前半の時に、いろんなことを学ばさせていただいた。これからも学ばさせていただきたいと思っている。

 岡田 (授業料は)高いよ(笑い)。

 岡田氏は注目の去就にもズバリ切り込んだ。

 岡田 (ミランに)残るの?

 本田 残る方向で僕は進めています。ただ、移籍を模索はしているので。可能性があれば出て行くと思う。移籍すれば、またそっちで(お会いしましょう)。

 日本の5部相当クラブに敗れた本田オーナーは「リベンジしたい」と宣言。互いに来年以降の対戦継続を熱望した。最後には5日に日本で、株式会社デジタルガレージから表彰され5000万円をゲットした本田にジャブが飛んだ。

 岡田 あの~。後援会に5000円で入れるけど、どう?

 本田 そんなのやっているんですか。時間があれば(笑い)。四国には本当に行く機会がないので。

 “場外戦”の舌戦も、試合結果と同じように岡ちゃんが競り勝った、そんな結末だった。

 「SVホルン杯」として開催された大会にはホルンと今治に加え、オーストリア1部のザンクトペルテンも参加し、オーストリア在住の日本人や地元住民ら数百人が大きな声援を送った。ホルン-今治以外の2試合は今治が1-0でザンクトペルテンを、ザンクトペルテンは2-1でホルンを下した。入場券とスポンサー収入の利益は被災地とオーストリアの慈善事業に寄付されるという。