昇格決定戦へゴン中山が闘魂注入! 元日本代表でJ2札幌OBのFW中山雅史(49=JFLアスルクラロ沼津)が16日、札幌・宮の沢の練習場を訪れ、J1昇格を目前にしたチームを激励した。S級コーチ資格取得へ向けた国内研修のため札幌入り。引き分け以上で優勝と昇格が同時に決まる20日金沢戦(札幌ドーム)へ「自然体で、ひたむきにやれ」とエールを送った。

 ゴン中山独特の甲高い声が、久しぶりに宮の沢に響いた。前日15日はW杯ロシア大会アジア最終予選サウジアラビア戦の解説を務め、16日は朝4時に起床し、6時半羽田発の便で札幌入り。9時半からのトレーニングに参加し、午後練習が終了の午後5時まで、たっぷり7時間半、ゴン節でチームをもり立てた。

 昇格まで残り勝ち点1。11年の前回昇格を知る男は言った。「5年前より今の方が余裕がある。もう昇格してるでしょ。今までやってきたことを出せれば手にすることはできる。自然体で、ひたむきにやればいい」。4位徳島と勝ち点65で並び、ドローでは逆転される可能性があった11年12月3日の最終東京戦前とは違う。圧倒的に明るいムードを感じ取っていた。

 チーム最多19点のFW都倉には、J通算157得点の極意を伝授した。「クロスへの入りどころで、どこを意識していたかを教えたよ」。相手マークを外す巧妙な術に耳を傾けた都倉は「今まで体の強さだけで勝てていた。工夫しなきゃ」と刺激を受けた。

 10年から3シーズン過ごした古巣の戦績は常にチェックしていた。首位に立ってからも「いつ落ちてしまうのか心配だった」と言う。一緒にS級講習を受けていた名塚コーチからチーム状況を逐一、確認し「まだまだと言っていたし、そういう考えは力になると感じていた」と振り返った。

 宮の沢を訪れるのは14年10月以来約2年ぶり。今回はこの日から5日間、グラウンドで研修に臨み、20日金沢戦はスタンド観戦する。「日本ハムも優勝したし、札幌昇格への期待が高まっている。やるのは選手たち。これを取るか取らないかで人生が変わる。それをグラウンドでつかめるように」。内村ロスタイム弾での千葉戦劇勝に続き、最強のメンタルアドバイザーも味方についた。この勢いで、一気にゴールを駆け抜ける。【永野高輔】