昨年、3年ぶりに2桁得点をマークしたFW内村圭宏(32)が、視界良好のスタートを切った。札幌は沖縄合宿2日目の17日、午前中に体力測定のペース走を行った。2年ぶりにキャンプ初日から全体メニューをこなすベテランは、年明けに米国ハワイでの挙式を終えて「サッカー集中」を宣言。史上最速降格となった2012年以来となるJ1でのリベンジを誓った。

 1000メートル×4本のペース走を、快調に飛ばした。「沖縄では完全別メニューばかりで、やれなかった年が多かった」。順風満帆なキャンプを迎えたFW最年長の内村は、南国の風を全身で受けて、穏やかな表情を浮かべた。

 昨年は股関節痛で出遅れただけに、油断はない。「1年置きぐらいに故障していた気がする」と苦笑する。「今が良くても、シーズンでケガをすると何もなくなってしまう。防げるケガをして台無しにしないようにしたい」と、慎重に合宿完走を期した。

 年明けの4日から1週間、挙式のためハワイに滞在した。14年12月に結婚していただけに「式を挙げていないことがずっと気になっていた。ちゃんと無事に終わったのは気持ち的に大きい」と、約2年後の一大イベントを終えて、ホッと一安心。ハワイ滞在中には砂浜を走り、温暖な気候のもと、十分に体を動かしてきた。年明けのチーム合流こそ1日遅れとなったが「ますますサッカーに集中できそう」と、明るい未来を思い描いた。

 前回J1復帰した12年には、苦い思いがある。2度の大型連敗を喫して、チームは9月中にJ2への降格が決まった。自身も出場27試合で2得点に終わり「話にならなかった」と悔やむ。「『あんなもんじゃない』というのを、個人としても見せたい」。今季、他クラブからの移籍組はJ1での経験豊富な顔ぶれが並ぶが「競争は大歓迎。しっかりとポジション争いをしたい」。J1の舞台で光り輝くために、挑戦を受けて立つ。【中島宙恵】