狙いは新天地でのレギュラー獲得だ。高知でキャンプ中の新潟は10日、春野総合運動公園で午前、午後の2回練習を行った。左サイドでアピールを続けているのが札幌から移籍のDF堀米悠斗(22)。12日に予定されている練習試合のJ2愛媛戦、J3富山戦でも開幕スタメン候補を印象づけようと意気込んでいる。

 味方が攻撃態勢に入ると、堀米はギアをトップに入れて左サイドを駆け上がった。この日の実戦練習では、3-4-3のシステムの左ウイングバックに入り、守備と攻撃を組み立てた。手を挙げながらボールを呼び込み、パスを受けると相手の動きを見ながら冷静に対応する。

 「コンディションを気にするより、今はチームの戦術を覚えて理解する段階」。8日の高知ユナイテッドとの練習試合では4-4-2の左サイドバック。この日の3-4-3は昨季まで札幌で行っていた形だ。システムは変わったが、「もっと自分が起点にならなければ」と、左サイドで求められている動きをチェックした。12日の練習試合、愛媛と富山のどちらの試合に出るかは決まっていない。それでも「勝って勢いをつけたい」と、本番さながらの気迫で臨む。

 ポジションを争う左サイドのスペシャリスト、DF前野貴徳(28)が体調不良で離脱中。「確かにチャンス。でも、いいプレーができないとすぐに代えられる。前野さんがいる、いないではなくて自分がいいプレーをしなければ」と自らにプレッシャーをかける。

 全体練習後、片渕浩一郎コーチ(41)の指導の下、右サイドバックのDF川口尚紀(22)とともに居残り練習を続けている。ピッチを去るのは、ほぼ毎日のように一番最後。「開幕に向けてしっかり追い込めている。試合で結果を残すために、きつい練習ができるのは今のうち」。人一倍の向上心もレギュラー取りの武器になる。【斎藤慎一郎】

 ◆堀米悠斗(ほりごめ・ゆうと)1994年(平6)9月9日生まれ、北海道出身。札幌厚別高では札幌U-18に所属。12年のユース選手権で優勝。13年にトップチーム入りを果たす。16年は33試合に出場し札幌のJ1昇格に貢献した。今季新潟に完全移籍。ポジションはDF。168センチ、64キロ。背番号27。