4日後に控えた開幕戦へ、一筋の光が見えてきた。熊本で2次合宿中の北海道コンサドーレ札幌は21日、熊本県民総合運動公園補助競技場で、戦術練習などをこなした。この日から、左ふくらはぎの肉離れで離脱していたFWジュリーニョ(30)と、左アキレスけん炎症で別メニュー調整していたMFマセード(29)が、そろって全体練習に復帰。J1開幕の25日仙台戦(フクアリ)出場へ意欲を見せた。

 昨季チーム2位の12得点を挙げたFWジュリーニョと、右サイドのスペシャリストMFマセードが、そろって全体練習に合流した。マセードは11日ぶり、一時は開幕戦出場が危ぶまれたジュリーニョにいたっては、わずか1週間でのスピード復帰となった。待望の主力が戻り「ジュリーニョは思ったより早かった」と、四方田修平監督(43)の表情も明るかった。

 開幕を4日後に控えた“滑り込み”の復帰だが、2人には十分すぎる実績がある。昨季、4月に右足を肉離れしたマセードは、全体練習合流から、わずか5日後の山形戦にフル出場。ジュリーニョも、右太もも裏肉離れから復帰した4日後には、昇格争いが佳境を迎えた熊本戦のピッチに立っていた。

 戦術練習で果敢な突進を見せたジュリーニョに対しては、チームメートから「気合入ってんなぁ」と笑いがもれるほど。前日20日には開幕仕様? のヘアスタイルに刈り込んだ点取り屋は「ノープロブレム。思っていたより、ケガが悪くなかった。個人的にも開幕に間に合うと信じていたから、焦りはなかった」と目を輝かせた。

 この日は、恥骨痛でキャンプ初日から別メニューだったMF荒野も、部分合流した。「今日は練習量が少なかったので、明日、明後日の練習を見て、最終的に決めたい」と指揮官は慎重だが、本人たちは、やる気満々だ。「試合で最大限の力を発揮したい」と話すマセードは「開幕? 行けます」と、きっぱり。ジュリーニョも「監督次第だけど、準備は出来ている」。相次ぐ戦力復帰で活気が戻ってきた。【中島宙恵】