下克上でチームにカツを入れる。北海道コンサドーレ札幌FW菅大輝(18)が23日、中断期間でのアピールと4月2日の次節ヴァンフォーレ甲府戦でのリーグ戦初メンバー入りを目標に掲げた。15日のルヴァン杯磐田戦は全2得点に絡む活躍も、18日のリーグ広島戦はベンチ外。四方田監督は、約2週間空く次戦までを底上げ期間と定めており、自身初のJ1出場に向け貪欲に売り込み、まずはベンチ18人枠滑り込みを狙う。

 チャンス獲得へ1分たりとも無駄にはしない。前夜からの積雪で23日の練習は、屋内での体幹トレーニングとグラウンド周りのランニング。サッカーの練習はできなかったが、菅は雪を蹴散らし、歯を食いしばり30分のランニングメニューを消化した。「次の試合まで10日ある。この間にアピールしてリーグ戦でも使ってもらえるように、少しでもレベルアップしたい」。リーグ再開までの“プチ中断”で下克上を起こす。

 15日のルヴァン杯磐田戦は、0-0の後半11分にマセードの右クロスを左から折り返し上原の先制点をお膳立て。同42分にはドリブルで持ち込み、フリーで走り込んだ都倉にパスを送り2点目をアシストした。「後半は自分らしさを出せたと思った。でも18日のリーグ戦ではベンチから外れた。とても悔しかった」。待望のリーグ初勝利はスタンド観戦だった。ピッチで仲間と歓喜を味わえなかった苦い思いをバネにする。

 次節甲府戦で、デビューから364日となる。昨年は3月からトップに同行し、1カ月後の4月初戦、3日の町田戦で初出場した。強烈なミドルシュートでアピール。その後3戦連続で出場後、壁にぶつかり出場機会は減った。きっかけをつかむため夏場はユースでの練習も並行しながら調整した。

 「プロの公式戦に出てから、指摘されたことを修正することばかり考えて自分の良さを忘れていた」。貪欲に前に仕掛け得意の左足で仕留める-。1年前の教訓を胸に、今季は自身の武器を目いっぱいグラウンドで体現し、四方田監督のハートをつかむ。

 「もう高校生じゃない。プロとして、試合に出たいし、出ないといけない。ルヴァン杯の前半もミスがあった。早い判断と、ワンプレーの質を上げないと。課題を修正しながら自分の良さを出していきたい」。頭も使い、継続して質の高いプレーを繰り出すことで、主力組にプレッシャーをかけていく。【永野高輔】