Jリーグが10日、東京・JFAハウスで育成事業説明会を開き、15年12月に導入したクラブの育成組織評価システム「フットパス」の結果を報告した。開発したベルギーのダブルパス社が各クラブから集めた資料を検証し、担当者の聞き取りや視察も行った上で格付け。今年1月までにJ1、J2全40クラブの監査が完了し、11項目で現段階の“点数”が明らかになった。

 その結果、Jクラブは「個の育成」に最も課題を抱えていることが浮き彫りになった。欧州のトップ級を100点とした場合、日本は平均25点。具体名は伏せられたが、最高評価のクラブでも50点だった。また、プロ選手の輩出数や活躍の度合いを示す「生産性」も100点から0点まで両極化。平均も30点と、才能の発掘面も低い評価だった。

 11項目の中では「戦略」が最も高かったが、それでも平均58点。今年2月に就任したJリーグの松永英機アカデミーダイレクター(54)は「ブンデスリーガやプレミアリーグで採用されている仕組みによって課題が明確になった。最高は50点台でしたが、まだまだ伸びしろもあるということ」と今後の向上に期待した。

 改善策として選手や指導者の海外派遣、専門家を招いての研修合宿にさらに力を入れていく方針を示し「欧州では育成年代の勝敗は二の次。個人の育成が最も大事」と、文化の違いも参考にする必要性を訴えた。