北海道コンサドーレ札幌はFC東京に0-1で敗れ、4戦目で初黒星を喫した。30日のリーグ磐田戦後、FW内村、金園と攻撃陣2人が離脱。四方田修平監督(44)は、札幌U-18所属で2種選手登録のFW藤村怜(17)を初めて先発起用したが、シュートゼロとチャンスをつくれず、勝ち点を奪えなかった。1次リーグA組で、2勝1分け1敗の勝ち点7となり、2位に順位を落とした。

 思い切った抜てきも、うまくは機能しなかった。終わってみればシュート0対14本。味スタでの対東京戦は、これで4戦無得点7失点と、またも鬼門をこじ開けられなかった。四方田監督は「攻撃のタメがつくれず自滅からピンチを繰り返してしまい、シュートチャンスをつくることができなかった」と険しい表情で振り返った。

 試行錯誤の上で構成された布陣だった。30日のリーグ磐田戦後に内村が左足首痛、金園が体調不良で離脱。指揮官はユースの藤村を初めて先発FWに据えた。「けが人が多く連戦になるので若い選手にチャンスを与えたかった。良い突破もあったし出だしはよく走ってくれたが、ゲーム展開のせいか、彼の得意な形を出せなくなってしまった」。中盤に下がった後半はボールを受け、少しずつリズムをつかみかけたが、得点機を演出するには至らなかった。

 苦しい台所事情もあった。磐田戦、この日の東京戦、6日のリーグ大宮戦と、中2日、中2日での3連戦。「勤続疲労」回避のためメンバーを大幅に入れ替えたが、FW菅とMF横山は1、2日に2日連続で空路移動しての連続先発だった。タフな日程を克服しながら粘ったが、ほぼ主力組をそろえてきた東京を跳ね返すだけの力は出せなかった。

 初黒星も、1次リーグ突破圏内の2位。若い藤村がJ1相手にデビューし、苦い経験をしたことは個人の成長だけでなく、チームとしての底上げにもつながる。「選手は連戦の中、切り替えてやってくれた。次、すぐにリーグ戦があるので、しっかり準備したい」と指揮官。一度、北海道に戻り気持ちをリセットし、次は今季公式戦5戦無敗の札幌ドームで、息を吹き返す。【永野高輔】