東日本大震災の影響が大きい東北のサッカー界が手を取り合い、再生への一歩を踏み出した。東北6県を統括する東北サッカー協会はこのほど、組織内に支援センターを開いた。実務の中心、小幡忠義・塩釜FC理事長(71)は「今が地域へ恩返しする時だ。私たちのスポーツは地域の人たちに支えられているのだから」と声に力を込めた。

 サッカーで培ったネットワークを通じた地域社会の復興を目指す。きっかけはJ1鹿島のMF小笠原満男(32)の呼び掛けだった。母校の大船渡高がある岩手県大船渡市は津波で甚大な被害を受けた。「子どもたちにちゃんと届く支援の仕組みをつくってほしい」。親交のあった小幡理事長に電話をかけたという。

 支援センターでの活動には各県協会のほか、J1仙台やJFLソニー仙台のスタッフも参加する。各地の人脈を駆使して被災地の状況を調査。サッカー用品から衣類、食品に至るまで、全国から寄せられる、ありとあらゆる支援物資の配送を担う。宮城県協会会長でもある小幡理事長は「欲しいところに、欲しいものを届ける必要がある」と力説した。

 東北協会は3月下旬に「東北サッカー未来募金」をスタートさせた。日本サッカー協会やJリーグが開催する慈善試合での募金や収益の多くは、日本赤十字社などに寄付され、義援金として分配されるまでには時間がかかるという。独自の募金設立は、被災地への資金提供を迅速にする仕組みづくりの一つになる。

 直接の支援対象となるのはサッカークラブや学校のサッカー部で、その先に見据えるのは裾野に広がる地域コミュニティーという。