主力MFの逮捕で揺れる柏が、ダブルパンチを食らった。26日の川崎F戦終了後に審判への侮辱行為で一発退場処分を受けたU-23(23歳以下)日本代表FW李忠成(り・ただなり=22)に28日、4試合出場停止の重い処分が下った。この日開かれたJ規律委員会で決定し、通告された。29日の清水戦から5月10日の東京戦まで黄金週間4連戦を、エース不在で戦わざるを得なくなった。5月中旬から合宿を予定している五輪代表にとっても痛い処分となった。

 日本代表候補に名を連ねる主力MFの逮捕で戦力ダウンした柏が、今度はエースFW李抜きで4試合を戦うことになった。この日、Jから4試合出場停止を通告された柏の竹本一彦GMは、予想以上の重い処分に言葉を失った。「1、2試合だと思ったけれど、重かったですね。仕方がないです」と肩を落とした。

 逮捕された主力選手の解雇をチーム内で決めたばかり。現在はその発表時期を協議しており、戦力ダウンは覚悟していた。しかし、李の4試合出場停止は想定外だった。竹本GMから電話で報告を受けた石崎監督も絶句したという。報道陣から「監督の反応は?」と聞かれた同GMは「みなさんのご想像通りです」と苦笑いした。

 抗議中に主審の体に触れたことが「主審および副審に対する傷害の意図のない乱暴な行為」と判断された。この日、処分発表前にチームの練習に参加していた李は「プロになって初めてのレッドだし、深く反省しています。もう2度とやりません。監督にも怒られました」と頭を下げていた。

 現在、柏はリーグ12位だが、降格圏の17位札幌とは勝ち点3差しかない。主力選手逮捕直後の26日川崎F戦も逆転負け。同試合では李とともに反町ジャパンDF小林も警告2枚の退場処分となり、29日の清水戦は出場停止。石崎監督は「代表クラス3人がいっぺんにいなくなったからな。頭が痛いよ」。主力MFの逮捕で狂い始めた歯車を直すには時間がかかるかもしれない。【盧載鎭】