<J1:千葉2-1名古屋>◇第26節◇23日◇フクアリ

 まさに残留請負人だ。「シーズン終了後にそう言われるのはうれしいけど、まだ降格の危機は続いてますから」。決勝ゴールを決めた千葉MF深井正樹(28)は、控えめに振り返った。しかし、名古屋の久米GMに「深井にやられたな」と放出を悔やませたことが、存在の大きさを物語っていた。

 後半3分、左サイドから中央に詰め、シュートの跳ね返りを左足で押し込んだ。古巣・名古屋を首位から引きずり降ろすゴールで2-1の勝利。チームは勝ち点を27に伸ばし、キックオフ前に負けた磐田と入れ替わり、16位に順位を上げた。実に171日ぶりの、自動降格圏からの脱出だった。

 深井は今季、出番を求め名古屋に期限付き移籍したが、ストイコビッチ構想から外れ、6試合出場にとどまった。「千葉から声が掛かって最後のチャンスと思った」とサッカー人生を懸けて8月末に千葉移籍を決意し、開花した。

 「出番のない苦しい時期があったから今がある。せっかくのチャンスを逃さないためにも、結果を出し続けるしかない」。移籍後、3戦2発で、チームは今季初の3連勝。安全圏の15位東京Vとは勝ち点4差に縮まった。残留に向け、深井の挑戦は続く。【盧載鎭】