【グアム3日=永野高輔】韓国から新加入した“仕事人”がコンサドーレ札幌の守備を立て直す。右もも裏の張りで別メニュー調整だったDF趙晟桓(26)が、4日ぶりにチーム練習に合流。この日のミニゲームでは、激しい当たりにも崩れないボディーバランスと、一瞬でボールを奪う得意のスライディングで石崎信弘監督(50)にアピールした。

 ナイフのように鋭くボールを刈り取るスライディングから、チームメートは趙を「札幌の都並(敏史氏=前横浜FC監督)」と呼ぶ。DF柴田は「(炎の左サイドバックと呼ばれた)代表時代の都並さんみたい。FWはかなり怖いはず」という。滑り込んだ際、趙は右足でボールをとらえながら左足1本で素早く体勢を立て直す。中学時代に登山で鍛えた太いふくらはぎが、下半身をどっしり安定させている。

 実績は申し分ない。U-22韓国代表として臨んだ03年キリン杯では、U-22日本代表と1勝1分け。現代表でもある田中達、大久保ら点取り屋を無得点に封じ込んだ。「日本のFWを抑える自信は当然あるよ。ブラジル人FWも韓国で何度も対戦してるから大丈夫」とJ初挑戦への気負いもない。

 昨季、Kリーグ浦項では元クロアチア代表マト(現大宮)ともDFラインを組んだ。「簡単な英語でやりとりができた。サッカー用語さえつかめば何とかなる」。言葉の問題も苦にしない。昨季J1ワースト70失点と崩壊した守備陣の再建へ-。イケメン韓国人DFの経験と技を生かす。