新ポジションでクラブの歴史に名を残す。コンサドーレ札幌は22日のアウェー甲府戦に向け、18日は札幌ドームのホバリングステージで練習した。前節15日の鳥栖戦で決勝点を挙げたFWキリノ(24)は、紅白戦で右サイドハーフに入った。持ち味の縦への突破力が生かせる位置で、2戦連弾を狙う。

 経験は昨季まで所属したスウェーデンで数回あった程度。「やりづらさはある」と言う、慣れないサイドハーフも、紅白戦では能力の片りんをみせた。サイドを駆け上がってのクロス、内へ切り込むドリブルなどで好機をつくった。「本来の位置ではないが、どんな形でも貢献できればいい」と前向きだ。

 開幕からの2戦、良さは出し切れていない。前を向いてのプレーは少なく、ボールも収まらない場面が多かった。その打開にと入った位置は、前を向いてボールを受けることが多いだけに、スピードを生かした抜けだしやドリブルが持ち味のキリノにとって、むしろ打ってつけ。チャンスメークの可能性は高くなる。

 過去、札幌の外国人で開幕3戦で2試合以上得点しているのは3人。そのいずれもその年のリーグ得点王に輝いている。「チームのために、1つでも多くのゴールを挙げるだけ」。言葉は控えめも、甲府戦でその通りの結果を残せば、新得点源への期待は大きくふくらむ。