G大阪のMF遠藤保仁(29)が3重苦を乗り越えて「新旧ミスターガンバ」対決を制す。26日の「阪神ダービー」神戸戦(ホムスタ)に向け、24日は非公開で調整。チームはACL直後で中4日以内のリーグ戦は、昨季から2勝2分け6敗と大苦戦。さらに最近2年はリーグ戦で神戸に3分け1敗と勝ちがなく、敵地ホムスタは通算1勝2分け2敗と分が悪い。悪いデータがそろうが「元ミスターガンバ」の神戸DF宮本恒靖(32)との注目の対戦へ、遠藤は「持てる力を出し切る」と必勝宣言した。

 遠藤が、ツネ様との対戦を心待ちにした。06年まで所属した「元ミスターガンバ」との注目の対決。いつものように淡々とした口調だが、言葉の節々から意気込みが伝わってきた。

 遠藤

 単にツネさんをナマで見られるのはうれしいですね。ツネさんと僕(の対決)とかいうのではないですけど。一番は楽しむこと。楽しむためには、結果を出さないといけない。

 「遠藤対宮本」の対戦は、遠藤が横浜Fに所属していた98年、京都時代の99~00年とリーグ戦で過去5度あり2勝1分け2敗と全くの互角だ。遠藤は「的確な指示を出したり、リーダーシップは非常にある。ポジションは違うけど、1対1とかフィードも正確」と宮本を警戒。前線に上がればマッチアップする場面もあり「ゴールに絡んでいきたい」と得点を意識した。

 ただ、勝利には大きな壁もある。神戸戦は、21日に敵地で戦ったACLスリウィジャヤ戦から、長距離移動も含めて中4日の過密日程。おまけに昨季からACL直後で中4日以内のリーグ戦は、2勝2分け6敗と苦戦している。アジアで勝っても、国内で勝てない-。さらに神戸が07年にJ1復帰してからはリーグ戦で勝っておらず、ホムスタでも1勝しかしていない。

 今や日本代表の主軸で「G大阪の顔」になった遠藤は、悪いデータをぬぐい去るように言う。「相手どうこうじゃない。持っているものを出し切って勝つだけ」。首位鹿島とは勝ち点3差の4位で、勝てば首位浮上の可能性もある。誇りをかけて「新旧決戦」に挑む。【益子浩一】