<J1:広島1-0大分>◇第13節◇23日◇九石ド

 大分は広島に0-1で敗れ、10連敗で、延長戦廃止後のJ1(03年以降)ワースト記録を更新した。

 泥沼10連敗にもかかわらず、選手に温かい拍手を送っていた大分サポーターの態度が急変した。選手が引き揚げた後、溝畑社長がピッチに出て謝罪すると「辞めろ!」「こっちに来て説明しろよ!」などと怒号を飛ばし始めた。同社長は要求されるまま、サポーター約300人が居残ったスタンド前に移動。今度は号泣しながら「監督やフロントと引き続き話し合いをして立て直します。申し訳ありませんでした」と震える声で話したが、サポーターの罵声(ばせい)は一層激しさを増した。

 20日のナビスコ杯浦和戦から中2日。活気あるサッカーで久々にファンを喜ばせた選手たちの体は回復していなかった。広島に運動量で完敗し、パスサッカーに振り回された。MF清武は「マークがはまらず、どこへ行けばいいか分からなくなった」。シャムスカ監督は「攻め込む機会もあったが、最後のパワーが足りなかった」と努めて笑顔で話す姿が痛々しかった。

 クラブは31日に、大分市内で説明会を開き、チームの現状や今後の対応についてサポーターやファンと意見交換することを決めた。6月20日のリーグ戦再開まで1カ月足らず。J1残留への希望の光が再びかすむような敗戦に終わった大分に打つ手はあるのだろうか。