「庶民の味」が、モンテ戦士の秘密兵器になる-。J1山形の小林伸二監督(48)が2日、イレブンの疲労回復を促進させるために、試合後に牛丼を用意する考えを示した。これまで健康補助食品や軽食が用意されたが「汁気があってガッツリ食べられる」(同監督)として、牛丼をチョイス。タフな夏の戦いを食事面でしのぎ、J1定着を果たすためのスタミナ源にする。

 ピッチでの熱血指導に加え、選手の食事にまで目を光らせる小林監督。プロ2年目のMF広瀬には「野菜を取らないと関節が強くならない」と、食事指導をしている。ベストパフォーマンスを出してほしいという親心からだ。食事とプレーは密接な関係にある-、というのが指揮官の考えだ。

 監督業を始めて重視してきたのが「試合後の食事」(同監督)。指揮官は「実は、食事にはこだわってきた。(過去に指揮した)大分の時もC大阪の時も。試合後すぐ食べるかで、次の日やその後(の練習)に影響してくる」と明かした。アウェー戦後は会場近くの宿舎で、すぐにエネルギー補給が可能だが、問題視しているのはホーム戦だ。

 かつて指揮したクラブのように、ホームのスタジアムに調理人を手配したいところだが、コストがかかりすぎることは承知だ。ならば…。

 小林監督

 今も軽食は用意されているけど、ガッツリ食べられるものがいい。汁気がある牛丼とかがいい。食うとリカバリー(回復)が違う。弁当はあるけど(運動後で)のどを通らないから残す。食べるための工夫を、フロントにも考えてほしい。

 疲労回復を早める秘密兵器「牛丼」を、試合後の移動バスでかき込ませたい。コスト的には弁当を切りかえれば実現可能だ。厳しい夏の戦いを前に、試合前後で体重が激減する選手もではじめたという。キン肉マンのように牛丼パワーで夏を乗り切り、J1残留のスタミナを蓄える。【山崎安昭】