G大阪西野朗監督(54)の来季続投が20日、濃厚になった。今季限りで契約が切れる西野監督に対し、クラブ側は早い段階から複数年契約での契約延長を要請。同監督はJリーグの他クラブから水面下で調査を受けていたが、この日までに続投の方向で固まった。02年に就任し、来季で自らの持つJ最長記録を更新する9年目に突入。現在3位のリーグ戦残り5試合で逆転優勝を成し遂げ、来季はアジア制覇に再挑戦する。

 西野監督は今季限りで2年契約が満了するため、クラブ側は複数年契約での契約更新を要請していた。一方で次期日本代表監督候補にも名前が挙がる同監督には、Jリーグの他クラブが調査を進める動きもあった。だが、この日までに来季続投の方向で一本化。早ければ今月中にもG大阪側と正式サインを交わす可能性が高くなった。この日の練習後、西野監督は「もう(取材は)いいだろう」と来季に関する取材には応じなかったが、これまで「クラブからそういう話(続投要請)をもらっているのは確か。しっかり考えたい」と話していた。

 02年の就任から来季で9年目。自身が持つJの同一クラブを率いた監督の最長記録を更新する。元鹿島のトニーニョ・セレーゾ氏(00~05年)の6年を大きく引き離す。クラブ側が提示する複数年契約を引き受ければ、来年のW杯南アフリカ大会後に岡田ジャパンの後任監督の指名を受けない限り、10年超の異例の長期政権になる。

 来季はACLのタイトル奪回が最大の目標になる。連覇を狙った今季は決勝トーナメント初戦で川崎Fに敗戦。その後、7月にリーグ3連敗を喫し首位と勝ち点19差まで離されるなど泥沼にはまった。サポーターからは西野監督の解任要求も出たが、金森社長は「私の中では西野さんしかいない」と信頼を得ていた。

 低迷期を乗り越えて現在は首位川崎Fと勝ち点2差の3位。残り5戦でJ初の勝ち点19差からの大逆転優勝も狙える位置につけた。05年以来のリーグ優勝を成し遂げて、来季は再び西野ガンバでアジアの頂点を奪いにいく。