J2札幌の石崎信弘監督(51)が、チーム強化へ、“イメトレ用”オリジナルDVDを作製する。今季の全得点と全失点シーンに加え、お気に入りのバルセロナの好プレー集などを映像にまとめ、来年1月下旬からのグアムキャンプに持ち込む。反省点なども含めた約2時間の作を、キャンプ中に選手に見せ、目指すサッカースタイルをたたき込む。

 石崎監督が2年目のメリットを最大限に生かす。今季の74得点61失点すべてを編集した「反省画像」兼「お気に入りバルサ画像」を合体させた長編DVD「THIS

 IS

 石崎」を作製することが決まった。「キャンプなどで選手に見せて、イメージづくりに役立てたい」。チームは10日の練習を最後にオフに入るが、指揮官は来季へ向けた“昇格ビジョン”づくりに着手していく。

 同監督は「世界サッカーの流れがどういうものであるかを、全員に伝えて手本にできれば」と意図を話す。まずは理想としているバルセロナの好プレー集をまとめ、究極のイメージを植え付ける。自らがテレビ観戦などの際に気に入ったシーンを、ダイジェスト風に監修する。

 今季の得失点シーンをまとめた反省版には、石崎流のこだわりが加えられる。得点シーンにはBGMを入れ、失点シーンはライブ音声のみにする。「失点場面は止めながら説明する必要があるから音はいらない。ゴールシーンは乗りのいい音楽で盛り上げた方がいい」と声を弾ませた。選曲は制作する沖田コーチに委ねるものの「理想は(麻倉美稀が歌うドラマ“スクール☆ウォーズ”の主題歌)ヒーローがいい」とリクエストも忘れなかった。

 就任1年目の今季は、自身が求めるサッカーをゼロから伝えることに時間を割かれた。来季は今季の反省点をベースに“アレンジ”からスタートできる。「(今季の)くだらない失点でだいぶ損をした。それを減らせられれば」。特製DVDを武器に、石さん独自の昇格準備に乗り出す。【永野高輔】