コンサドーレ札幌の来季ユニホームスポンサーが、15日までに決まった。11月に撤退を表明した、今季胸スポンサーを務めた「ニトリ」が、袖スポンサーとして契約を結び直すことになった。当初は完全に退く旨を札幌側に伝えていたが、クラブからの再三の要請やサポーターからの声を受け、1年限定での継続となった。元日本代表FW中山雅史(42)の加入が有力と、チームへの注目度が高まったことも追い風となり、10年の“身支度”が整った。

 札幌の熱意が、1度は失ったスポンサーの心を動かした。2年間胸スポンサーを務めるも、今季限りでの撤退を表明していた「ニトリ」が、来季袖スポンサーに就くことが15日までに決まった。同社広報は「北海道FCから再度要請をもらい、検討した結果、1年限定という形で決めました」と経緯を説明した。

 11月に同社が撤退を表明後も、札幌の矢萩竹美社長(59)は「他のカテゴリーでも」と来季のスポンサー継続を要請。「2年間務めて、一定の役割を終えた」と完全撤退を決めたニトリだったが、あきらめることなく「クラブとして誠意をもってやった結果」(矢萩社長)、内諾にこぎ着けた。金額こそ今季の2億円から4000万円に減るが、同社長は「非常に感謝している」と思いを口にした。

 この間約1カ月、札幌にとって追い風となる出来事があった。磐田を戦力外になった元日本代表FW中山の移籍先最有力候補に、札幌が浮上した。加入となれば全国的な宣伝効果は絶大。特にユニホームに関しては、露出度の面からもプラスが大きいのは確かで、うま味は十分にある。またニトリ広報が「サポーターからの強い要望があった」と話したように、ファンの声も後押しとなった。

 ニトリの復活で、来季のユニホームスポンサーは固まった。矢萩社長はニトリの撤退決定直後、今季背中を務めた「石屋製菓」と袖の「サッポロビール」に対し、位置の変更を要請した。それを両社が受け、胸には石屋製菓が3年ぶりに復活し、背中はサッポロビールに代わる。J1昇格を目指す10年札幌の戦闘服は、まもなく正式に完成する。