【グアム7日=永野高輔】ゴン、ついに復活 !

 コンサドーレ札幌グアムキャンプ19日目、右足内転筋付着部炎で別メニュー調整が続いていた元日本代表FW中山雅史(42)が、初めて全体練習に完全合流した。ミニゲームから8対8の戦術練習まで、約1時間半のメニューすべてを消化した。札幌入り後、初めてチーム練習をこなしテンションもアップ。21日のJ1神戸とのプレシーズンマッチでの実戦復帰への意欲もみせた。

 待望の時が来た。午後練習の開始前、中山の顔には緊張が漂った。簡単なボールを回しを終え、移籍後初となるミニゲームの時間。「…スナ(砂川)、ゴンちゃ~ん」。石崎監督の号令に、これまで必死に抑えてきたサッカーへの情熱が、一気に爆発した。

 開始1秒で、いきなり激しい闘志をむき出しにした。ボールを追いかけた拍子にDF堀田と正面衝突した。「ガチッ ! 」。骨と骨がぶつかり合うような鈍い音がグラウンドに響き渡る。「おいっ ! 」。練習も試合も気持ちは変わらない。ファウルをアピールするときのように、自然と右手が上がっていた。

 ゴン劇場はまだまだ終わらない。ミニゲームだけに、激しいタックルを避けていた他の選手を尻目に、ただ1人スライディングを連発。ドリブルして倒され、1回転前転しながらも、ボールを両足ではさみキープし続けた。

 最後に行われた守備の戦術練習では、近藤とともに攻撃側の2トップに入った。MF砂川のパスに反応して左サイドに流れながら初タッチと「移籍後初クロス」も出た。下がって岡本からのパスを受け、古田へ戻す“24歳差”のパスもつながった。「とりあえず一緒にできたのは良かったと思う。これからもやれることを精いっぱいやっていくだけ」。札幌で、初めて味わった充実感だった。

 ひやりとする場面もあった。ジャンプしてMF芳賀とハイボールを奪い合った際に落下し、右肩を強打しした。それでも軽く数回、肩を回しただけで再びボールを追った。「痛いですよ。でもちょっと(ボールを)触れば裏を取れるかなと考えていた。(芳賀が)きているのは分かっていたし、スピードなり工夫も足りなかった。まだまだということ」。負傷明けで合流初日ながら、常に最高のプレーを心掛けていた。大量の汗でずぶぬれになった黒トランクスが、その心を物語っていた

 ようやくスタートラインに立った。別メニュー調整中に行った水泳では、42歳の体で1000メートルを休みなしで泳ぎ切り「札幌の選手では記憶にない」と佐川チーフトレーナーを驚かせた。トライアスロントレでは「きついことを避けてたら戦えない」と27歳DF趙、23歳GK佐藤を圧倒し1位でゴールした。不屈の根性で、当初予定より早い、グアムでの完全復帰を成し遂げた。

 踏み出した新たな1歩に、テンションは上がった。21日の神戸とのプレシーズンマッチについても「このまま合流し続ければ可能性もある」と出場への意欲を見せた。開幕へ、ゴンがさらに気持ちも身体も高めていく。