コンサドーレ札幌が練習する札幌・宮の沢白い恋人サッカー場で、「サマーJリーグ杯」の開催が検討されていることが23日、分かった。6月のW杯中断期間を利用して、道内でキャンプを張るJクラブを複数集め、有料でのミニカップ戦を行うという企画だ。今季はサテライトリーグ廃止にともない、若手選手の実戦の場が激減した。リーグ戦が中断される期間に、札幌が中心となった“公式戦”を実施し、個々のレベルの底上げも図っていく。

 初夏の札幌で、J複数クラブが集結しての「宮の沢杯」が開催される。クラブ関係者は「W杯中断期間に、宮の沢を使ってカップ戦のようなものができればと考えている」とプランを明かした。クラブでは6月中旬からのリーグ戦中断期間中に、同練習場でのファン感謝イベントの開催などを検討していた。その企画を発展させ、有料でのカップ戦を実施する構想が浮上している。

 23日現在、練習場を所有する石屋製菓とクラブ間で具体策を検討している段階。対戦相手として、同期間に七飯町大沼でキャンプを張る予定の川崎Fを既にリストアップしている。過去には浦和、横浜、名古屋なども道内キャンプを張った実績があり、今後、スケジュールが決定次第、声をかけていく。道内を訪れるクラブだけでなく、距離的にも比較的近い山形、仙台の東北2クラブへの呼びかけも行っていく予定だ。

 実現すれば若手選手にとっては貴重な実戦機会となる。今季からサテライトリーグが廃止され、主力以外の選手が試合に出場するチャンスが激減した。本州のクラブは身近に練習試合の相手がいるが、札幌がJクラブと対戦するには、常に空路移動を伴う。道内でのカップ戦開催となれば、移動経費をかけずにレベルの高いJ1との実戦機会を設けられる。中断期間までに出た課題をチェックする場にもできるなど、メリットは大きい。

 矢萩竹美社長(60)は「チーム始動後は合宿続きで開幕を迎える。中断期間に札幌でファンサービスをやっていい」と話した。グアム、熊本とキャンプが続き、サポーターとの触れ合いができない分は、6月に補いたい意向だ。