リーグ2位のJ1清水が4日、アウェー(日産ス)で同3位の横浜と激突する。好調の両チームの対戦は、MF小野伸二(30)と横浜MF中村俊輔(31)の欧州からの「復帰組対決」や、日本リーグ時代に日産の黄金時代をともに築いた長谷川健太監督(44)と横浜木村和司監督(51)の「元同僚対決」など見どころは満載。清水はここまで開幕からリーグ戦4戦無敗(2勝2分け)で、今回も引き分け以上ならクラブの「連続無敗記録」を更新する。

 ただならぬ緊張感が漂っていた。約45分間にわたりセットプレーを確認し、ミニゲームで最終調整を切りあげた。長谷川監督は「どの試合も大事だけど、乗っているチームと勝負して勝てば勢いが出る」と、好調な横浜戦の重要性を説いた。3戦連続無失点中のGK西部も「今のマリノスをたたけば収穫は大きい。自信を持って戦うだけです」と気合を入れた。

 小野は、練習中に「集中!

 集中!」と、選手たちを鼓舞していた。相手司令塔の中村について問われると言葉に力を込めた。「力は日本の中で一番。世界でも名前を知られているし素晴らしい選手。リスペクトしながらプレーして、最後は試合で勝てるようにしたい」。特別に敵視する存在ではないが「負けられない」という思いは強い。

 長谷川監督も思いは同じだ。7歳年上の木村監督とは横浜の前身、日産の先輩後輩の関係だけに「大先輩ですからね」とニヤリと笑った。横浜には日本代表MF中村、中沢、栗原の日本代表センターDFコンビ、前線には昨季新人王FW渡辺ら、能力の高い選手がそろう。「それぞれのプライドがある。そのプライドをかけて戦う」と、屈するつもりは毛頭ない。

 開幕から好調をキープし、ここまでのリーグ戦は、4戦2勝2分けと負けなしだ。得失点も5得点1失点で、攻守のバランスよく2位につけている。横浜戦で勝利すれば、開幕5戦無敗のクラブ記録を樹立。狙い通りの「開幕ダッシュ」は完成する。【為田聡史】