J1仙台MF梁勇基(28)が、南アフリカW杯に出場する北朝鮮代表の最終候補に選ばれたことが10日、正式発表された。宮城県名取市で「創建ホーム」のCM撮影に参加していた梁は「1秒でも長くピッチに立ちたい」と目標を掲げた。15日の浦和戦後、チームを離れて代表に合流。直前合宿で最終登録の23人を目指し、1次リーグで強豪ブラジルやポルトガルと対戦する経験を仙台に持ち帰る。

 9日まで「正式発表まで何も話せません」と複雑な立場だった梁が、ようやく口を開くことができた。

 梁

 実感はわいてない。まだ試合に出られる保証もないし、達成感も大きくないっすね。ただ(CM撮影で)「おめでとう」と言ってもらったり、大阪の友人も仙台の皆さんも喜んでくれてることが、うれしい。

 2月のAFCチャレンジ杯でMVPと得点王を獲得した。Jリーグでも開幕5戦で4得点2アシストと活躍し、代表に滑り込んだ。それでも「(44年ぶりの出場権を獲得した)最終予選を戦ってないから実感がわかないのかも」と冷静だった。

 JリーガーではFW鄭大世(川崎F)MF安英学(大宮)とともに選ばれた。尊敬する安から電話で祝福され「大世と安さんは絶対に(先発で)ピッチに立つ。『自分も一緒に立てるよう頑張ります』と電話で返しました」と浮かれた様子はない。

 ベガルタ生え抜き初のW杯選手になれば、チームへの影響は計り知れない。「死の組」の1次リーグでブラジルのMFカカ、ポルトガルのC・ロナウドら世界トップクラスと対戦する梁は「1秒でも長くピッチに立ちたい。W杯は誰でも行ける舞台じゃないし、いい経験をして仙台に帰ってきたい」。FW中原も「今まで身近にW杯選手なんていなかった。周りも代表を目指そうと燃えるし、刺激になるはず」と期待した。

 梁は15日の浦和戦後、チームを離れて代表に合流する。21日からスイスとオーストリアで、アフリカ入り後はジンバブエで直前合宿に臨む。まずは6月15日の王国ブラジル戦を目指し最終調整に入る。【木下淳】