清水FW藤本淳吾(26)が9日、日本代表からチームに合流した。14日間で5試合の強行軍の最後となる、次節大宮戦(NACK=11日午後3時)へ向け、軽快な動きを見せた。同スタジアムは08年に左足腓骨(ひこつ)骨折した因縁の場所。悪夢を乗り越え、日本代表に復帰したレフティーは強行日程でもまだまだキレている。

 藤本の左足が、連戦の最後を勝利で締めくくる。同じく代表帰りのFW岡崎とチーム練習に合流すると、時折笑顔を見せながら約1時間汗を流した。ミニゲームやシュート練習での絶好調ぶりは変わらない。長谷川健太監督(44)も「(体は)大丈夫か?

 と聞いただけ。だいぶキレている」とうなずいた。

 3年ぶりの日本代表では、パラグアイ戦とグアテマラ戦で途中出場。シュート2本を放ったが、得点はできなかった。藤本は「あとはシュートを決めるだけ」と手応えをつかみつつ「結果として残せなかったことは残念だったたが、エスパルスで結果を出していくことが大切」と、ザッケロー二新監督の初陣となる10月8日のアルゼンチン戦へも意欲を見せた。

 次節大宮戦が行われるのは、NACKスタジアム。約2年前、藤本は同スタジアムで左足腓骨(ひこつ)を骨折する悪夢に見舞われた。長期リハビリを余儀なくされ、09年3月15日の横浜戦で公式戦に復帰するまでに、230日を要した。

 今季は、リーグ戦でチーム2位の9得点と結果を残している。3年ぶりに代表のピッチにも立った。思い出したくもない悲劇の地に足を踏み入れるが「ケガをしないようにがんばりますよ」とあっさり。恐怖心よりも自信にあふれている。【前田和哉】