<J2:札幌2-1大分>◇第25節◇鴨池
やっと勝てた!
コンサドーレ札幌は大分を下し、8月7日の北九州戦以来4試合35日ぶりの白星を挙げた。前半32分に失点も後半19分にMF藤田征也(23)の得点で追いつき、同31分にはFW内村圭宏(26)がPKを決め逆転。後半からの逆転は今季初と、これまでなかった終盤の粘り強さを発揮した。8月は1勝1分け2敗と苦戦したが、ここから勢いに乗って9月攻勢に出る。
さあ、秋の逆襲スタートだ。札幌が、いまだ入道雲漂う灼熱(しゃくねつ)の鹿児島で驚異の粘りを見せた。気温31・5度、湿度は62%。前半は動きが鈍く防戦一方だったが、太陽が西に傾くと同時に、一気に攻め立て逆転勝利につなげた。
試合を決めたのは古巣相手に燃えていた内村だった。0-1で迎えた後半19分に藤田のゴールで追いつくと、同31分にMF芳賀の右クロスが大分DF菊地のハンドを誘いPKを獲得した。PKスポットにFW内村、近藤、MF芳賀、藤田の4人が集まり数秒間“密談”。その後キッカーに決まった内村が、GKの動きを見定めて、冷静に右足でゴール左に流し込んだ。
札幌が今季PKを獲得したのは初めて。昨季まではキリノがキッカーとして決まっていたが、負傷離脱後は選手が決まっていなかった。そのための緊急密談だった。「近藤が蹴りたがっていたので、さりげなく先にキックできるポジションをとりました」と内村。相手ベンチには05年まで監督と選手の間柄だった皇甫官監督(45)もいた。「恩返しです。なんとかかましてやりたかったのでうれしい」。同監督の元では出場2試合と不遇の時代を過ごしただけに成長した姿を見せたかった。
内村のPKには、ひそかに「ゴンパワー」も加わっていた。キッカーが内村になったことを確認したFW中山が、ベンチで「ウッチーなら大丈夫だ」と太鼓判を押していた。この日、ピッチに立つことはなかったが、J最多157得点を誇る42歳の最強オーラも、札幌に4試合ぶりの勝利をもたらした。チーム最古参MF砂川らほかのベンチの選手たちも、中山と同じ思いでゴールが決まるよう強い念を投げかけていた。
自信を失いかけていたチームが、1つの結果で大きく前に進もうとしている。内村は次節出場停止だが「厳しい状況だけど、あきらめずにどんどん良くしていきたい。自分もまだ4点。もっともっと頑張らないと」と気持ちは切れていない。残り12試合。沈みかけた太陽は、自分たちの力でもう1度、昇らせてみせる。【永野高輔】



