コンサドーレ札幌が、石崎信弘監督(52)に来季続投を要請したことが17日、分かった。今季は昇格に失敗したが、クラブ側はMF古田ら若手を育成した手腕を評価。強化費の大幅削減が予想される来季に向けて、指揮官の継続したチーム強化が理想と判断した。

 クラブのスタンスを明確に打ち出した。この日、矢萩竹美社長(60)と三上大勝強化部長(39)、石崎監督が札幌・宮の沢のクラブハウスに集まり個別に会談。矢萩社長は「現時点ではまだ、お話しできるようなことはない」と明言は避けたが、既に続投の意思は伝えられている模様だ。今季の4億5000万円から3億5000万円前後まで減額される強化費についても伝達済みで、今後具体的な交渉に入るとみられる。

 厳しい状況だからこそ、体制維持を選択する。来季開幕メンバーは23人程度と、クラブ史上最少とする方針。少数精鋭でのチームづくりの中、選手の特徴を知る指揮官が離れることのデメリットは多く、路線の大幅転換は避けた格好だ。

 育成手腕も評価している。矢萩社長は「若い選手を鍛えてもらうという要望に応えてもらったと考えている。一定の評価はしている」。成績は現在9勝12分け11敗の13位と低迷も、10月9日の天皇杯名古屋戦ではJ1首位相手に接戦を演じた。古田、DF岩沼、GK高原ら石崎監督に抜てきされて芽が出た選手は多く、ベースを熟成させることを最優先していく。

 今日18日は三上強化部長が南米に旅立つ。ブラジルで療養中のFWキリノとの対面と、新外国人調査が目的。着々と11年の編成作業が動き始めた。