コンサドーレ札幌が元日本代表で横浜を戦力外となったMF山瀬功治(29)獲得に乗り出したことが4日、分かった。既に代理人を通じ条件を提示。地元出身のドリブラー争奪戦に名乗りを上げた。J1広島なども獲得に動いており金銭面では圧倒的に不利。だが、11月末の戦力外通告後、即座にオファーを出すという速攻&誠意で大物取りを目指す。

 熱意とスピード戦略でJ1クラブに立ち向かう。矢萩竹美社長(60)は「戦力外通知が出された瞬間に、いの一番に(代理人に)連絡した。J1クラブと比べると条件面では半分にも満たないが、こちら側の誠意は伝えたと思っている」と話した。今季、横浜での年俸は5000万円。札幌が提示した金額は1000万円未満とみられるが、真っ先に手を挙げ、札幌復帰への強い思いを伝えた。

 指揮官もラブコールだ。石崎監督は「ドリブラーというイメージ。山瀬がいたらきっと面白いサッカーができる」と歓迎した。三上大勝強化部長(39)も山瀬が札幌に在籍していた02年にスカウト担当をしており旧知の仲。金銭面で太刀打ちできない部分は“地元の利”と誠意でカバーする。

 中山獲得の際にアドバンテージとなった、充実した医療設備も武器になる。山瀬は02年に右ひざ、04年に左ひざの靱帯(じんたい)を断裂の大けがを負っている。05年にはヘルニアを発症するなど、ケガにも悩まされてきた。来年で30歳となるだけに肉体のケアも欠かせない。強化費削減に苦しむ札幌だが、限られた手腕を総動員して故郷のJクラブの長所を伝えていく。