【グアム25日=永野高輔】“遅(ち)アゴ”とは呼ばせない。コンサドーレ札幌の新外国人DFチアゴ(26)が、96キロの体重を生かした重戦車のような守備でアピールした。グアムキャンプ2日目の午前中に行われたインターバル走では、1人だけペースを守れずに遅れたが、午後の1対1のミニゲームで本領発揮。体重増量の影響で走力は未知数ながら、日本人離れした対人の強さを備えていることを証明した。

 チアゴの肉厚ボディーはただの“重り”ではなかった。午後練習で行われた1対1のミニゲーム。内村と対峙(たいじ)した助っ人が壁のように立ちはだかった。ボールキープする内村に187センチ、96キロの巨躯を寄せると、ラグビーのモールのようにじりじりと相手陣内に押し込んだ。格闘技のような競り合いは2分40秒続き、最後はふらふらになった内村が辛うじてゴールを決め終了となった。

 助っ人DFが初めてベールを脱いだ。内村は終了後ピッチに倒れ込み「ふところが深い。とにかく重い。びくともしない」と証言した。ヘビーな守りだけでなく真面目な一面も見せた。途中で右ふくらはぎがつってプチ離脱も、自分で患部を伸ばしてピッチに戻った。ハードな練習でも真摯(しんし)に取り組む助っ人に石崎監督も「動けるようになるまで何とも言えないが、あの重さは武器になる」と一定の評価を与えた。

 ようやく少しだけ汚名返上できた。札幌ドーム始動からこれまで、苦手なランニングが主体だった。この日午前のインターバル走では、最も遅いグループに入るもペースについていけず3回目で半周遅れ。日本語で「ムズカシイ」とつぶやき挑んだ4回目では2歩目で遅れ、5回目以降は古辺コーチの指示で個別の“ジョギング”に変更された。

 それでも同コーチは、潜在能力は見抜いており「持久系が苦手なだけ。筋肉は意外とある。土台がしっかりしている」と話した。“遅アゴ”というニックネームも浮上したが、本人も「(07年)京都のときもいつもビリだったから気にしてないよ。開幕までに合わせるからね」と笑顔を見せた。

 性格も陽気でチーム内での評判も上々だ。鈴木通訳は「ブルーノ・クアドロスのよう。よく話すし他のブラジル人選手の面倒見もいい」と話した。07年昇格のキーマン同様、気が利く重戦車が、太めの肉体を生かして定位置取りを目指す。【永野高輔】