宮崎・綾町で春季キャンプ中だった川崎Fは28日、霧島連山・新燃岳の噴火の影響でキャンプ中止を決めた。練習場の綾町錦原グラウンドに火山灰が降り積もり使用できない状態に。空気中にも灰が舞っている状況で人体への影響も懸念されたため、中止を決断した。24日から来月4日までの12日間の予定だったが、5日での打ち上げとなった。

 綾町から新燃岳は約30キロの距離にあり、前日27日に噴火した時はちょうど練習中。選手は立ち上る大きな噴煙を背に、噴火音や地響きの中で不安を抱えながら体を動かした。一夜明けたこの日、外は灰一色の世界となっており、チームは午前中に屋内施設の綾てるはドームで調整。宮崎空港発の航空機が欠航のため、バスで約2時間かけて鹿児島空港まで移動し、帰京した。羽田空港に到着したMF中村憲剛(30)は「残念だけど仕方ない。これ以上、被害が広がらないことを祈りたい」と話した。

 今後の日程は未定だが、29日からは川崎市の麻生グラウンドで全体練習を行う。来月14日から予定していた宮崎市での2次キャンプも白紙となり、チームに思わぬ敵が立ちはだかった。【由本裕貴】