【グアム30日=永野高輔】11年札幌の青写真が見えてきた。コンサドーレ札幌は午前に6対6の戦術練習を行った。石崎信弘監督(52)は今季も1トップにトップ下を置いた4-2-3-1布陣を継続することを明言。トップ下には新外国人アンドレジーニョ(25)、1トップには昨季チームトップタイ5得点の内村圭宏(26)を第1候補に挙げた。「ウッチャンアンチャン」コンビで得点力アップを目指す。

 札幌に早くもゴール量産のにおいがしてきた。この日は前日に引き続き6対6の戦術練習。メーンは守備の意思統一だが、攻撃側のキーマン2人も順調に連係を高めてきた。左利きのドリブラー、アンドレジーニョがゴール前に切り込んで、速さが武器の内村がスペースに走り込む。内村がキープすれば今度はアンドレジーニョがゴール前に顔を出す。息のあったプレーに石崎監督も「あの2人は面白いね」と笑顔を見せた。

 グアムキャンプは中盤に入った。指揮官も今季布陣を少しずつ頭の中で描き始めている。「今年も1トップでいくよ。アンドレを使うためにはトップ下を置いた方がいいからね」。相棒となる1トップは「まずは内村じゃろ」と言った。システムは「昨季同様4-2-3-1でいくよ」。話を総合すると前線2人は内村1トップ、トップ下にアンドレジーニョを置いた「ウッチャンアンチャン」布陣が濃厚だ。

 昨季は38試合37得点。1試合平均0・97という得点力不足が致命傷となった。3位で昇格した福岡でさえ63点。昇格圏とのギャップを埋めるにはウッチャンこと内村、アンチャンことアンドレジーニョのテンポいい掛け合いが大事だ。昨季の内村は開幕時はサイドハーフだった。中断明けに1トップになったが、キリノや近藤の故障もあり「ナンチャン」探しに苦しんだ。1文字違いだが語呂のいい相棒の加入はプレー、響きともに心地いいはずだ。

 「アンドレは速いし1人でかわしてくれる。自分はその後にいい位置に入って、おいしいところを決められれば」と内村。アンドレジーニョも合流わずか5日目ながら「内村とはいいパスがつながる。2人で得点を増やせれば」とコンビでの切り崩しに自信を見せた。最近の本家はピンでの活躍が多いが、札幌の「ウンアン」は、2人でJ1昇格の扉をこじ開ける。