<なでしこリーグ:新潟1-2INAC>◇第2節◇6日◇東北電ス
なでしこリーグ全勝で首位のINACは6日、2位の新潟とアウェー(東北電ス)で対戦し、なでしこリーグ史上最多2万4546人を集める中、MF沢穂希(32)が2得点し快勝した。沢のなでしこリーグでの得点は、W杯優勝後初。前半41分に、CKのこぼれ球を右足で押し込み、同点の後半25分には胸トラップから左足で芸術的ループシュートを決めた。この日はJリーグ新潟-清水戦の前座試合だったが、なでしこ人気はますます上昇気流の兆しを見せている。
女子W杯ドイツ大会で見せた沢の存在感を、新潟に集まった2万4546人の前でも披露した。GK海堀が「疲れがあったのか最初はいまひとつ。沢さんが2点とってくれて、いつもですが頼りになります」と振り返るように、帰国後の取材ラッシュと30度を超える暑さで運動量が減り、持ち味のパスサッカーを展開できなかった。
だが、苦しい時こそ力を発揮するのがエースの真骨頂。代表の仲間でもある新潟MF阪口を中心とした攻撃を、アンカーの位置で必死に体を張って守ったのが沢だった。「セットプレーでは得点を狙っていました。自分みたいに長くやっていると、どこにこぼれたり落ちてきたりするか予測できるんです」と自信の表情。
攻め手を欠いていた前半41分、MFチのCKからのこぼれ球に鋭く反応した。1度はGKに阻まれたが再び右足で押し込み先制。同点とされて迎えた後半25分、ゴール前でのMFチのFKが相手DFに跳ね、ファーサイドの沢へ“パス”となった。胸トラップから芸術的な左足ループ。この時ばかりはオレンジ色に染まった大観衆からも「ウオ~」という歓声がこだました。
試合後の沢は、場内の大興奮とは正反対に冷静に答えた。「国民栄誉賞で王さんなどすごい方々と並んだ立場なのでしっかり結果を出したい。たくさんの方が見に来てくれるのは今後の女子サッカーにプラス。また足を運んでほしい」。
取材も短めに終え、代表7人はチームから離れ、別取材に備えて新幹線で東京に向かうほど強行日程は続く。9日から沢らINACは韓国遠征に向かう。代表組が練習に集中し、心や体をリラックスできる環境をつくる。「自分はどの試合も特別ではなく、毎試合もっている力をだしているだけ。子どもたちには大好きなサッカーを楽しんでほしい」。なでしこ予備軍の子どもたちに、夢と希望を与える2得点となった。【鎌田直秀】



