G大阪が2014年3月に予定している新スタジアムの完成にあわせ、女子チームの保有を検討していることが21日、分かった。この日、大阪・吹田市内で行われたサポーターミーティングで、金森喜久男社長(62)が「条件が整えば前向きに検討したい」と明言。実現する場合、なでしこリーグ2部の高槻を吸収する形での創設、保有となる可能性が高い。

 G大阪が14年に予定している新スタジアム完成とともに、なでしこリーグに参入する可能性が出てきた。金森社長がこの日、サポーターへの定例報告会で「条件が整えば(女子チームを)作ることを前向きに考えたい」と明言した。

 実現する場合、なでしこリーグ2部の高槻を吸収する形で保有する可能性が高い。G大阪ではJリーグからの要請を受け、08~09年にも高槻の吸収合併を検討していた。だが、当時の高槻のレベルや、クラブハウスや競技場のロッカールームを男女別にすることができないという構造上の問題がネックとなり、保有を断念していた。

 今回、金森社長は「新スタジアム完成の1年前からもう1度検討する」と話しており、施設の環境面での問題がクリアできれば、女子チームを新スタジアムの目玉として売り出す可能性も十分ある。

 女子W杯で優勝したなでしこジャパンGK海堀、DF田中、MF阪口らを輩出した高槻は、前身がG大阪のメーンスポンサーでもある松下電器(現パナソニック)という企業チームだった。現在は市民クラブとして活動し、来季のなでしこリーグ1部復帰を狙っている。

 G大阪は山本浩靖強化部長が高槻の前身松下電器時代に監督、コーチを務めるなど、女子事情に精通しており、年間約7000万円とされるチーム運営費が捻出できれば、女子チームの保有も可能だ。G大阪がなでしこリーグに参入すれば、東京V、千葉、新潟、浦和に続き、Jリーグでは5チーム目となる。

 なおG大阪は吹田、高槻市など大阪・北摂エリアを新スタジアムの建設候補地としており、10月に建設の詳細を発表する予定。